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キエフはキーウに ゼレンスキー大統領はTwitterで「感謝」

» 2022年04月01日 14時06分 公開
[ITmedia]

 外務省は3月31日、ウクライナの首都の呼び方をこれまでの「キエフ」からウクライナ語に近い「キーウ」に変更すると発表した。これを受け、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はTwitterで感謝の意を伝えた。

外務省の発表

 ロシアによる侵攻が始まった後、自民党外交部会の佐藤正久さんらが「ロシア語に近い呼称を改めるべき」と呼びかけ、外務省がウクライナ政府に照会して変更を決めた。

 公文書に記載する国名や地名の変更には法改正が必要なため、今後も「キエフ」表記は残る。手続きの必要ない資料や国会答弁から切り替わるとみられ、テレビ局など国内報道機関も31日から追随している。キーウの他、チェルノブイリ原発は「チョルノービリ原発」に、南部の港町「オデッサ」は「オデーサ」と呼び方が変わった。

 日本政府の決定を受け、ウクライナのゼレンスキー大統領は31日、Twitterを更新。ゼレンスキー大統領はソビエト連邦時代の綴り(つづり)は「時代遅れ」とし、ウクライナ語に近い呼び方に変える日本の対応に「感謝する」とした。

 ウクライナの都市の表記については国内でも数年前から議論が続いていた。外務省は15年にロシアがクリミア半島を併合した時期にそれまでの「ハリコフ」を「ハルキウ」など、ほとんどの都市名をウクライナ語に近い表記に変更。19年にはウクライナ駐日大使館から「ウクライナの地名はウクライナ語に基づいて記述するべき」という問題提起があり、これを受けて神戸学院大学経済学部の岡部芳彦教授を座長とする有識者会議も行われていた。

2019年に有識者会議がまとめたカタカナ表記の変更案。「キーウ」「オデーサ」などの表記も見られる(神戸学院大学のWebサイトより)

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