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「初心者向け=低価格」にひそむワナ 新生活シーズンで失敗しないPC選びのコツ(2/3 ページ)

» 2022年04月08日 16時00分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

iPadやAndroidタブレット、Chromebookは?

 なお、iPadやAndroidのタブレットを「PCの代わり」と考えるのはおすすめしない。タブレットでPCに近いことはできるが、そのためには、WindowsとMacの違い以上の知識が必要になり、しかも、全てのことができるわけではない。宅内で気楽にネットや動画視聴ができればいい人や、イラストを描くなど、自分で用途がしっかり分かっている人など、「タブレットならではの使い道がある」人向けだ。

 同じくChromebookをPCの代わりにするのも、少々難しい部分はある。WebとAndroidアプリは使えるがPC用ソフトが使えるわけではない。タブレットと同じく、これで十分いろいろなことができるのは間違いないし、管理もPCより簡単なのだが、仕事や大学での学びの中では「PCかMacであること」が求められるシーンはまだ多い。

GIGAスクールなどで採用実績を伸ばしているChromebookだが、PCの代わりには完璧にはならない

 というわけで、タブレットやChromebookはそれぞれの特性が分かっていて使うもの、と考えた方がいいだろう。PCそのものを求めているのではなく「十分に画面が大きく、キーボードも使えるネット端末」を求めているなら、これらの方が良いときはあるのだが。

Windows PCを選ぶなら「メモリ」「ストレージ」は重要

 1社がハードを提供するMacと違い、Windowsはいろいろなメーカーから製品が出ている。選べることが最大の利点、と言ってもいい。

 問題はどう選ぶべきかだ。

 高価で高性能なもの、十数万円を超えるような製品ならば問題はない。もちろん製品による良しあしはあるが、「PCとして使い物にならない」ことは考えられない。

 注意すべきは、より低価格な製品だ。

 まず、メインメモリとストレージに注意したい。

 メインメモリが「8GB」に満たない製品、例えば4GBのものは選ぶべきではない。メモリ不足によって、そのPCに搭載されたCPUの性能を出しきれず、動作が遅くなるからだ。8GBが今の最低線と考えよう。

 次に、ストレージの容量と種類。PCのストレージにはHDDとフラッシュメモリが使われている。最近はほぼ、フラッシュメモリだろう。フラッシュメモリにも、読み書き速度の速いものとそうでないものがある。大きく「SSD」と「eMMC」に分けられ、前者の方が速度は速く、後者の方が安価だ。

モデルによっては安価なeMMCと高速なSSDが選べるものも存在するが、SSDを選んだほうが良いだろう(画像はSurface Laptop GOの仕様ページ)

 動作の実効速度はストレージの読み書き速度にも依存するので、「SSD」の方が望ましい。容量も、eMMCは32GBや64GBのものが多い。

 現在の用途であれば、eMMCで32GB・64GBの製品は選ぶべきではない。日常的にOSがアップデートされ、アプリがインストールされていくと、ストレージは多い方がいい。少ないと残り容量を増やすために苦労することも出てきてしまう。それを防げる十分な容量を考えると、64GBが最低限、というところ。最低限よりもワンランク上、「SSDで128GB以上」が望ましいだろう。

 CPU性能についても、最低ランクはあまりおすすめしない。インテルなら「Core i3」以上、AMDなら「Ryzen 3」以上が望ましい。

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