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ここがヘンだよTeslaさん 至福の加速と間抜けなカーナビ走るガジェット「Tesla」に乗ってます(3/4 ページ)

» 2022年04月12日 08時00分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

渋滞になると電費は悪化する?

 はい、悪化します。このあたりはガソリン車と似たような感覚です。筆者のModel 3の過去ログを参照すると、3月中旬、信号の多い東京の市街地を約10km走行した際、平均速度17km/hで、燃費ならぬ電費は151Wh/Km(6.6km/kWh)。電気代にして約38円でした。

 一方、3月上旬の御殿場インターチェンジから海老名サービスエリア(約54km)までの記録を見ると、下り坂が多いこともあり平均速度77km/hで電費は79Wh/Km(12.6km/kWh)、電気代にして約105円です。市街地との比較でおおむね2倍の好電費を記録しています。

 一方、同じ高速道路でも、渋滞にはまると電費は悪化します。次の写真は、21年秋の東名高速道路のリニューアル工事の渋滞に遭遇した際のエネルギーグラフ(横軸の幅は50km)です。約1時間半にわたり、のろのろ運転と停止の繰り返しでした。その区間だけ距離に対するエネルギー消費が突出して悪化しています。

photo 高速道路で渋滞が予想されるときは、バッテリー残量に余裕をもった旅の計画を立てたいものだ

航続距離1000kmは本当に必要か?

 ネットのコメントを見ていると、EV懐疑派の方々の中には、「1満充電あたりの航続距離が1000kmでないと使えない」と一刀両断する人もいます。航続距離は長いに越したことがないのは理解できますが、EVを半年運用して感じるのは、筆者のような自宅充電環境があれば400kmもあれば問題ないということです。いや、もしかしたら300kmでもいいかもしれません。

 航続距離を増やせば容量の大きなバッテリーを積載する必要があり、その分車両価格も上昇します。将来、バッテリー技術について何らかのブレイクスルーがあれば、コストも下がるのでしょうが、ここ数年でそれが起きるとは思えません。

 自宅充電派にとって、長い航続距離が必要になるのは、遠出するときだけです。その遠出にしても、2〜3時間に一度は必ず休憩するわけですから、事前に充電計画を立て、休憩や食事と組み合わせるなど、充電待ちの時間を有効に活用すれば大きな不便は感じません。

 スマートフォン用のアプリ「EVsmart」は、さまざまな条件を設定して簡単に充電計画を構築可能です。また、「高速充電なび」は、サービスエリア等の急速充電器の空き状況を確認できます。このようなアプリを有効活用します。

photo 「EVsmart」アプリは、車種、充電器側の性能、走行モードなど条件を設定して充電計画を立案可能

 特に、Teslaのスーパーチャージャーは高速充電が可能なので、30%から80%までといった形の継ぎ足し充電を行う場合には、逆にゆっくり食事をしている暇がないほどです。ちなみに、スーパーチャージャーの場合、充電が完了しているのにプラグインしたまま放置しておくと、ペナルティーとして超過料金が発生します。

 公共の充電スタンドなどでは、充電が完了しているのに放置したままの車両の存在が問題になることがあります。最近のEVは、充電が完了するとアプリにその通知が来るので、オーナーは知らないわけはないと思うのです。そのようなマナー違反の発生を抑止するためにも、スーパーチャージャーのペナルティー制度は効果的な対策です。

photo スーパーチャージャーの場合、規定値までの充電終了10分前に通知が来て、終了すると再度通知がくる。5分以上放置するとペナルティー対象になる

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