4月12日から解体が始まった、故・黒川紀章氏が設計した「中銀カプセルタワービル」をまるごと3Dデータとして保存するプロジェクトが始動した。建築・都市のデジタル化を手掛けてきたgluonがプロジェクトを主宰。クラウドファンディングもスタートしている。
同プロジェクトは、ミリ単位で正確な距離を計測するレーザースキャンデータと、一眼レフやドローンで撮影した2万枚以上の写真データを組み合わせて、建物全体をスキャン。実空間の情報をまるごと3Dデータ化するという。
gulonは、建築家・菊竹清訓氏が設計した「旧都城市民会館」の3D化など、建築のデジタルアーカイブで実績を持つ。旧都城市民会館は、レーザースキャンに加え、一眼レフやドローンで撮影した1万枚以上の写真を組み合わせて3D化。VR空間内に再現し、バーチャル建築ツアーなどを実施したという。
この取り組みは「3Dデジタルアーカイブプロジェクト」と名付けられている。同社では「戦後に建てられた近代建築は、竣工から50年以上が経ち、老朽化などから維持が困難になってくる建物も今後増えてくると予想される」としており、「アーカイブとして建物の価値を保存するだけにとどまらず、建物を生きた存在として、今の時代ならではの生かし方、デジタル空間上での活用・楽しみ方を構築していきたい」と述べている。
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