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Final Cut Proの「声を分離」がすごい Mac Studioユーザー以外でも使える3つの新機能小寺信良のIT大作戦(2/3 ページ)

» 2022年04月18日 19時36分 公開
[小寺信良ITmedia]

重複する部分を素早く把握

 2つ目の機能は、重複部分の表示機能だ。Vlogの撮影では、長回ししたクリップを切り刻んで前後を入れ替えたりすることも多いが、あまり複雑に組み替えをしていると、前で使った箇所を後のほうでもう1回使ってしまったのに気がつかないというミスが起きたりする。

 新バージョンのFCPでは、タイムライン右上にある表示方法の設定のところで「重複する範囲」にチェックを付けると、タイムライン内で2回以上使用している部分を表示してくれる。

photo タイムライン右上で表示変更
photo タイムライン上では、重複した部分が斜線で表示される
photo インデックスビューワ上でも同様に表示される

 これまで、重複した部分を見つけるのは人力しかなかったわけだが、こうして表示されると一目瞭然だ。特に長尺コンテンツを作った場合、重複箇所を探すのは至難の技だったが、この機能を使えば編集ミスも発見しやすくなる。

 また検証動画などで意図的に同一シーンを繰り返し使用した場合も、間違いなく同一シーンなのか、間違って別テイクの映像を使っていないかといった確認にもなる。

iMovieからのマジックムービー/ストーリーボードの読み込み

 Appleは4月14日、iOS/iPadOS用の編集アプリ「iMovie 3.0」をリリースした。テーマに沿ったテンプレートに素材を並べていくだけで、クオリティーの高い動画が制作できる「ストーリーボード」、ライブラリから選択した動画や写真から自動的にベストな映像が制作できる「マジックムービー」が新搭載された。

photo 「iMovie 3.0」で追加された「ストーリーボード」と「マジックムービー」

 どちらの機能も、アクション系カメラに付属の編集ツールにはすでに搭載されていた機能ではあるが、iPhoneで撮影した映像でもこうした機能が利用できるようになったということには、メリットがある。

 FCPの新バージョンでは、新「iMovie 3.0」で使えるようになった「ストーリーボード」と「マジックムービー」のプロジェクトファイルが読み込めるようになった。

 今回は「マジックムービー」でテストしてみよう。使い方は簡単で、ライブラリから使いたい動画と写真を選んで、画面下の「マジックムービーを作成」をタップするだけである。

photo クリップを選んで1タップで動画作成できる「マジックムービー」

 撮影した各カットの中からエエ感じの部分を抜き出してエフェクトでつなぐだけなので、しゃべりの編集などは自動ではやってくれない。短い動画、いわゆるフィラー動画を作ってくれるという機能である。

photo 編集結果は一応エディットもできるが……

 出来上がった動画はオリジナルのプロジェクト形式になっており、カットの入れ替えや使いどころの変更などができる。ただiPhoneの小さい画面でちまちまやっていると、狙った通りにうまくいかないなどイライラするという問題がある。ある意味その問題を見越して、この2つの自動編集をプロジェクトごとMacに渡して編集しよう、というわけである。

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