文部科学省がGIGAスクール構想を2019年に提唱し、2022年で3年目に入った。Appleによれば、この制度によって275万台以上のiPadが導入されたという。現在、どのような教育が行われているのか。iPadを導入している東京都墨田区立錦糸中学校を取材した。
まず見学したのは同校1年2組。古賀隆一郎先生が教える社会科の授業だ。
iPadは生徒1人1台を用意。教室には黒板ではなく大型モニターが用意され、HDMIケーブルでiPadをつなぎ、Keynoteで学習内容を掲示する。テーマは「南アメリカ州を紹介するニュース制作を通して、南米の特色を捉えよう」というものだ。
この授業では、生徒を3〜4名のグループに分け、iPadを使って、チームでニュース番組を作る。複数回に分かれた継続プログラムとなっており、内容の研究や構成決め、原稿の作成をチーム内で行ってから、撮影に入る。ちょうど取材当日は「撮影」のスキームに入ったところだった。
撮影時はグリーンバックを用意し、アナウンサー役、ディレクター役、カメラマン役に分かれて、制作を進めていく。筆者はテレビリポーターやアナウンサーの経験があるのだが、役割分担も、さながらプロのコンテンツ制作のようだ。
使うアプリはあらかじめ教員から提案されている。ニュース動画撮影にはカメラアプリ、原稿提示(アナウンサー役の生徒が読む原稿を掲示して使う)にはPages、撮影後のクロマキー合成にはiMovie、ピクチャーインピクチャーの資料を作成するのにはKeynoteだ。
最後は授業を振り返ったまとめで提出。こうしたフィードバックは、授業で体験したことを自分の意見として、適確に書く練習にもなっているようだ。
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