家庭用プリンタの世界がなかなかの荒れ具合な件(1/2 ページ)
プリンタほど、昨今で大きく明暗が分かれている機器もないだろう。役所関係の地方の法律事務所なんかは、大型レーザープリンタでいまだにバンバン紙を刷る。耐用年数の半分ぐらいで使い潰すため、ほとんどがリースである。
一方家庭用として、年賀状やラベル印刷に活躍したプリンタは今やほとんど需要がなくなっている。筆者宅でも、月1回、部活動の練習計画をプリントアウトするぐらいで、出番がほとんどない。ほとんどない割にはかなりの重量と場所をとっている。
先日、久しぶりに東京に行くので名刺を刷ろうと思ってプリンタを起動したところ、黄色が印刷されない。これまでモノクロプリントしかしてこなかったので気がつかなかったのだ。何度ヘッドクリーニングをかけても全然出ない。ヘッド自体がもうダメなのかもしれない。
エプソンの「EP-976A3」、調べてみると2013年発売なので、ほぼ10年前ということになる。インクの供給がなくなればもっと早くに買い直しも考えられたのだろうが、インクは潤沢に流通していて、そんなに時間が経っていたとは気がつかなかった。これは手差しながらもA3が印刷できるモデルで、PTA広報紙や自治会ポスターの試し刷りができるからこれに決めたのだった。
とはいえ、今となってはそんな用途はとっくになくなっている。名刺も、対面での「はじめまして」がなくなってきている今、あとどれぐらい使うのかわからない。だが、今はまだそれに代わるものが存在しないのもまた事実である。
しょうがない、今さらだがプリンタを買い直すか、ということになった。
この記事について
この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年4月25日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。さらにコンテンツを追加したnote版『小寺・西田のコラムビュッフェ』(月額980円・税込)もスタート。
モデルは多様だが、在庫がない
調べてみると、家庭用インクジェットプリンタというのはまだ季節商品のようで、1月~3月、10月~12月の間に新商品が投入されているようだ。価格は、安いものだと1万円以下、中級機は3万円台、上位機種で4~5万円といったところ。昨今は「テレワーク対応」というキャッチコピーで売っているようである。
実際テレワークでプリンタがいるものなのか、その辺はよく分からない。家の中でデジタルデータをわざわざ紙で出したってどうにもならんだろうし、会社でやってるのと同じことを家でやるならそれは働き方改革とは言わないのでは、という気がするが、そうでも言わないと需要が喚起できないのかもしれない。
テレワーク時のプリンタ選びを指南しているサイトがいくつかあったので調べてみたが、テレワークでなぜプリンタが必要なのか明確に説明しているサイトはなく、その辺は華麗にスルーされていた。みんな架空のテレワークを勝手にでっち上げているだけのではないか。
最初は1万円内のシンプルなプリンタ専用モデルで検討した。ドキュメントスキャナーは別途ScanSnapがあるので、複合機でなくてもいい。ただ、妻が時々スマホからプリントしたいという要望があるので、スマホから直接プリントするという機能は必須である。
エプソンにもキヤノンにも、1万円以下のエントリーモデルはあるが、スマホからのプリントに非対応ということで早々に断念。もうちょっと上位のクラスでないと、その手の機能は搭載されないようだ。
とりあえず時間もないし、隣がヤマダ電機という地の利を生かして、実店舗で購入することにする。パソコン専門館があるのでそちらのほうに行ってみたところ、プリンタコーナーは壁沿いのL字型にずらりと揃っている。
展示機はそこそこ、おそらく30台近くあるが、ほとんどのモデルに「コロナウィルスの影響で在庫なし」の札が下げられていた。
真ん中の島に、今年発売の新モデル、それも3万円以上の複合機が決め打ちで山積みされている。つまり急ぐ客には全部それで対応、というわけである。ポップに値段を記しておらず、値段で引かないようにということだろう。
店員さんを捕まえて、スマホから印刷できるカラー機で、複合機じゃなくていいんだけど、と伝えると、1台だけエントリー機で在庫があると出してくれたのが、Epson「EP-714A」だった。2022年2月発売、値段は税込み2万円ちょっとだったので、ネットの最安値と700円ぐらいしか違わない。
この1台が出ると、当分エントリーモデルは入ってこないという。じゃあそれでいいです、と買って帰った。
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