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寄贈された千羽鶴をスニーカーに再生 広島の靴メーカーが商品化

» 2022年05月18日 15時27分 公開
[岡田有花ITmedia]

 国産スニーカーブランド「SPINGLE MOVE」を展開するスピングルカンパニー(広島市)は、広島・長崎などに寄贈された千羽鶴を再利用した生地を採用したスニーカー「SPINGLE MOVE『SPM-1005』」を5月21日に1万8700円で発売する。

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 折り鶴再生糸(折り鶴レーヨン)を使い、緯糸に折り鶴レーヨン、経糸に綿を使用したオリジナルのキャンバス生地を開発し、アッパーに採用した。生地の開発は難航したが、篠原テキスタイル(広島県福山市)の協力を得、約1年かけて実現したという。

 アッパーは生成り色で、ビンテージスニーカーのような雰囲気に。ベロ上部分には、色とりどりの折り鶴の写真をプリントした織ネームを取り付け、インソールには折り鶴をモチーフにしたカラフルなオリジナル柄をプリントした。

 XS〜XL(ユニセックス)の全7サイズ展開。初年度500足の販売を計画している。

 千羽鶴は広島だけで毎年約1000万羽(約10トン)寄贈されており、市はその保管に困っているという。

 環境配慮型素材メーカー・カミーノ(東京都港区)は、折り鶴を再生紙・再生糸化し、平和教育活動に活用する「ONGAESHI プロジェクト」を2011年に開始。広島を拠点とするスピングルカンパニーがこの活動に賛同し、“千羽鶴スニーカー”が完成した。

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