CPUで計算する水匠は特にこの設定が大事になるはず。ただ、ShogiGUIに用意されているオプション項目はかなり多く、素人目に最適な設定を探し出すのは難しい。
水匠は将棋ソフト「やねうら王」から派生していることから、やねうら王の公式サイトで紹介されている設定を参考にした。
CPUの設定は「Threads」、メモリの設定は「Hash」という項目を変更すればいいことになる。公式の推奨設定では「(発熱の観点から)Threadsは物理コア数に」とのことだったが、棋力を優先したいのと、簡易水冷クーラーも使っていることから論理コア数(64)で設定。Hashは512GBに近い値で設定した。
1つのソフトウェアに512GBも使わせようとする試みは筆者としては初めてで、まず驚いたのは「その分だけ思考エンジンの起動に時間がかかる」ということだ。
隣にWindowsのタスクマネージャーを開いてメモリ消費量をモニタリングしていると、突然512GBを確保するような挙動ではなく、利用するメモリを順に確保していくような挙動をしていることが分かる。
メモリの使用量によってどれくらい棋力が変わるのかについては、先ほどのオプション設定でメモリ使用量を変えることで比較できる。とは言っても、筆者は将棋がほとんど分からないのでShogiGUI上に表示されるパラメータ頼りになるが、画面下部にある検討用の表示領域で、「思考中」というところに「プロ○段」と表示されている。
使用メモリを50GBで設定した際にはプロ6.89段、300GBではプロ7.44段、500GBではプロ10.38段と変わったため、メモリが多い方がなんとなく強そうだ。
1秒間にどれだけの候補手を探索しているかというNPS(1秒当たり計算ノード数)は、使用メモリを変えても43000〜47000kN/s(1秒当たり4300万〜4600万ノード)と変わらない。これはCPUの性能によって決まる部分だからだ。
一方、dlshogiは少なくとも棋譜の検討時にはあまりメモリを消費しないようにみえた。しかし、dlshogiについてのさまざまな解説にはdlshogiはメモリを消費するとあるので、もしかしたらモニタリングする場所もしくは設定を筆者が勘違いしている疑惑もある。
ただ、1回だけだがこれらの設定で水匠とdlshogiを戦わせてみたところdlshogiが勝利したので、現在の設定で弱いわけでもなさそうだ。
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