記録的に短い梅雨のあと、日本列島は驚くほどの熱波に襲われた。台風4号の通過で一時的に気温が下がったものの、温帯低気圧に変わってからは再び各地で30度を超える真夏日が続いている。夜に涼しくなるならいいが、一度暖まったコンクリートはなかなか冷めず、連日寝苦しい夜が続いているところだ。
そこで今回は、ここ最近筆者が出会った、心地よい寝入りにに役に立つアイテムやサービスをご紹介していこうと思う。
Cheeroと言えば「ダンボー」シリーズのモバイルバッテリーやイヤフォン、充電器、アダプタなど、モバイル系アクセサリーメーカーとして知られているが、実は睡眠サポートツールも積極的に開発している。以前代表取締役に、なぜ睡眠サポートツールを開発・販売しているのかと伺ったところ、代表自身がよく眠れないタチで、睡眠のエキスパートである大阪府立大学清水教永名誉教授の監修のもと、睡眠サポート製品の開発を進めてきたのだという。
同社で一番強力な睡眠サポート製品は、Sleepionシリーズである。現在初代から3まで3ラインアップが揃っており、音、香り、光の3つを使って睡眠導入を行なう。
人間の五感、すなわち視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚のうち、三感の条件が揃えば人間は眠れるのだという。つまりSleepionは、視覚・聴覚・嗅覚を使って睡眠を促す機器ということになる。初代Sleepion、Sleepion 2までは価格も2万円を超えていたが、Sleepion 3は1万円程度にまで押さえ、導入しやすくなっている。
この中でも特に聴覚は、睡眠に対して大きな影響があるという。そこで、移動中の飛行機や電車の中でも使えるように、睡眠導入に役に立つ音源を集めて収録したBluetoothプレーヤーを開発した。これが「NEM」だ。
収録されているのは、一般的な「曲」ではない。つまりイントロがあってAがあってBがあってサビがあってブリッジがあって……といった構成ではなく、単調なパターンの繰り返しになっている。また睡眠導入にあわせて、微妙に曲のテンポが遅くなるといった、睡眠専用に制作された音源だ。このほか、波の音、雨の音、小鳥のさえずり、朗読など、全20種類が収録されている。
睡眠だけでなく、昼間の仮眠用の音源も10種類用意されている。これはだいたい20分ぐらいで起きられるよう、20分を過ぎるとリズムを刻んだアップテンポの曲調に変わる。
音楽プレーヤーとして、同じ曲ばかりで飽きるというレビューも見かけたが、それは目的が反対である。睡眠とは集中しない、つまり「飽きること」である。1度寝られる音源を見つけたら、しつこくそれを聞いて寝る。あとはもうその音源を聞いただけで、反射的に眠れるようになる。そうした習慣づけが必要なのだ。
Cheeroではこのほか、得意のイヤフォンをセットにしてワンパッケージにした「NEM Plus」も製品化している。これは完全ワイヤレスイヤフォンのケースがNEMプレーヤーになっているというもので、とにかくこれ1個スーツケースに放り込んどけばどうにかなる的な製品だ。自社技術の得意なところ盛り合わせ的な意味でも面白い。
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