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寝苦しい夜と戦うためのガジェット 快適に寝落ちするために小寺信良のIT大作戦(1/3 ページ)

» 2022年07月13日 16時29分 公開
[小寺信良ITmedia]

 記録的に短い梅雨のあと、日本列島は驚くほどの熱波に襲われた。台風4号の通過で一時的に気温が下がったものの、温帯低気圧に変わってからは再び各地で30度を超える真夏日が続いている。夜に涼しくなるならいいが、一度暖まったコンクリートはなかなか冷めず、連日寝苦しい夜が続いているところだ。

 そこで今回は、ここ最近筆者が出会った、心地よい寝入りにに役に立つアイテムやサービスをご紹介していこうと思う。

実は睡眠のエキスパート「Cheero」

 Cheeroと言えば「ダンボー」シリーズのモバイルバッテリーやイヤフォン、充電器、アダプタなど、モバイル系アクセサリーメーカーとして知られているが、実は睡眠サポートツールも積極的に開発している。以前代表取締役に、なぜ睡眠サポートツールを開発・販売しているのかと伺ったところ、代表自身がよく眠れないタチで、睡眠のエキスパートである大阪府立大学清水教永名誉教授の監修のもと、睡眠サポート製品の開発を進めてきたのだという。

 同社で一番強力な睡眠サポート製品は、Sleepionシリーズである。現在初代から3まで3ラインアップが揃っており、音、香り、光の3つを使って睡眠導入を行なう。

 人間の五感、すなわち視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚のうち、三感の条件が揃えば人間は眠れるのだという。つまりSleepionは、視覚・聴覚・嗅覚を使って睡眠を促す機器ということになる。初代Sleepion、Sleepion 2までは価格も2万円を超えていたが、Sleepion 3は1万円程度にまで押さえ、導入しやすくなっている。

photo 最新モデルの「Sleepion 3」

 この中でも特に聴覚は、睡眠に対して大きな影響があるという。そこで、移動中の飛行機や電車の中でも使えるように、睡眠導入に役に立つ音源を集めて収録したBluetoothプレーヤーを開発した。これが「NEM」だ。

photo 眠りのための快適音源を内蔵した「NEM」

 収録されているのは、一般的な「曲」ではない。つまりイントロがあってAがあってBがあってサビがあってブリッジがあって……といった構成ではなく、単調なパターンの繰り返しになっている。また睡眠導入にあわせて、微妙に曲のテンポが遅くなるといった、睡眠専用に制作された音源だ。このほか、波の音、雨の音、小鳥のさえずり、朗読など、全20種類が収録されている。

 睡眠だけでなく、昼間の仮眠用の音源も10種類用意されている。これはだいたい20分ぐらいで起きられるよう、20分を過ぎるとリズムを刻んだアップテンポの曲調に変わる。

 音楽プレーヤーとして、同じ曲ばかりで飽きるというレビューも見かけたが、それは目的が反対である。睡眠とは集中しない、つまり「飽きること」である。1度寝られる音源を見つけたら、しつこくそれを聞いて寝る。あとはもうその音源を聞いただけで、反射的に眠れるようになる。そうした習慣づけが必要なのだ。

 Cheeroではこのほか、得意のイヤフォンをセットにしてワンパッケージにした「NEM Plus」も製品化している。これは完全ワイヤレスイヤフォンのケースがNEMプレーヤーになっているというもので、とにかくこれ1個スーツケースに放り込んどけばどうにかなる的な製品だ。自社技術の得意なところ盛り合わせ的な意味でも面白い。

photo 見た目は分厚い「NEM」だが……
photo フタを開ければイヤフォン内蔵の「NEM Plus」
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