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暗がりでもきれいに撮影できる全天球カメラ「Insta360 ONE RS 1インチ360度版」が登場  動画と写真で実力をチェックした(2/3 ページ)

» 2022年07月15日 07時00分 公開
[武者良太ITmedia]

 まず360度レンズのスペックから。センサーサイズは不明、6080x3040ピクセルの写真、5760x2880ピクセル 30fpsの動画撮影が行えます。対して1インチ360度レンズは、重複しますが1インチサイズセンサーで、6528x3264ピクセルの写真、5888x2944ピクセル 30fpsまたは6144x3072ピクセル 25/24fpsの動画撮影が可能です。解像度のスペックだけを見ると、大差ありません。実際はどうでしょうか。 

 まず1インチ360度レンズで全周囲を撮影したデータから、一方向をデジタルズームさせていくシーンをフルHDで出力しました。言われてみなければ、全天球カメラで撮った映像とは思えないのでは。最大域までズームしても細部の破綻が少なく、ノイズも少ない。極めて良好です。

1インチ360度レンズで撮影したもの

 こちらは360度レンズで撮影した動画です。動きのない橋や手すりは良好に映っているものの、水が落ちて泡立っている部分のニュアンスはかなり失われています。ズームしていくと、暗がりの中にある柵の形状も潰れています。

従来の360度レンズで撮影したもの

 比較さえしなければ、360度レンズでも良い映像は撮れると感じるでしょう。実際に今までの僕がそうでした。しかし一度1インチ360度レンズの映像を見てしまうと、ここまでポテンシャルに差があるかと驚きます。最大動画ビットレートが100Mbps→120Mbpsと拡大したことも、大きな効果となっているでしょう。

 全天球カメラ界の大型センサーとなる、1インチセンサーが生きるシチュエーションといえばやっぱり夜でしょう。しっとりと沈む黒い空を背景に、ビル群の窓明かりや信号などの点光源がしっかりと捉えられています。一部にもやがかかっているように見える部分がありますが、これは映像のスティッチ部分と思われます。

1インチ360度レンズで撮影したもの

 対して360度レンズで撮る夜景シーン。画質差は一目瞭然。強い点光源に盛大なフレアがのっていますし、その他の点光源も全体的にモヤっとして解像感が失われています。横断歩道のペイントには常にノイズで覆われてジワジワと動いています。

従来の360度レンズで撮影したもの

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