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情シスが抱える人材の課題 2位は「若手が足りない」 1位は? IIJ調査

» 2022年08月02日 11時42分 公開
[ITmedia]

 日本企業の情報システム部門が抱える人材の課題は──インターネットイニシアティブ(IIJ)が8月1日、こんな調査結果を発表した。最も多かった回答は「豊富な経験を持った人材が足りない」。2番目は「若手の人材が足りない」、3番目は「人員が足りない」だった。

photo 日本企業の情報システム部門が抱える人材の課題

 4番目は「人材が育たない」、5番目は「人員の多様性が足りない」、6番目は「人材が流出する」と続き、人材獲得に課題を抱える企業が多いことが分かった。

photo 改善したい自社の問題点

 そこで人材獲得に向け、改善したい自社の問題点を聞いたところ、最も多かったのは「給与・待遇条件」だった。2番目は「業務内容」、3番目は「勤務体系(リモートワーク、残業時間、休日日数など)」、4番目は「情報システム部門のイメージ」、5番目は「自社の認知度」だった。他にも「社内環境(PCのスペック、ディスプレイ、椅子など)」「福利厚生」「自社のブランド価値」などが上位に入った。

photo 中途採用の状況

 ただし企業規模によっては、まだ積極的な人材獲得に踏み切れていない情シス部門もあるようだ。中途採用の状況について聞いたところ、現在実施していると答えた企業は全体の45.3%。残りは30.0%が「していない」、24.8%が「過去にしていたが、現在はしていない」だった。

photo 中途採用の状況(従業員数別)

 企業規模別に算出したところ、従業員が1000人を超える企業は「1001〜3000人」「3001〜5000人」「5001〜1万人」「1万人以上」の全てで半数以上が中途採用を行っていた。中でも従業員数が1万人以上の企業と、5001〜1万人の企業は7割超が実施していると答えた。一方、1000人未満の企業は「501〜1000人」「100〜500人」「100人未満」いずれの場合も50%を下回っていた。

photo 人材確保に向けた施策

 人材確保に向けた施策についての質問でも、同様の傾向がみられた。現在実施している施策を聞いたところ、最も多かったのは「特に行っていない」、2番目は「社内他部門からの異動推進」、3番目は「エージェント企業などを利用した社外採用活動」だった。他には「グループ企業内の異動促進」などが上位に入った。

photo 人材確保に向けた施策(従業員数別)

 一方、企業規模別に算出したところ、従業員が1000人を超える企業はいずれも「特に行っていない」の割合が2割を下回った。逆に1000人未満の企業は全ての場合で3割を上回った。中でも「100人未満」の企業は半数近くが「特に行っていない」と答えていた。

 IIJは結果について「人材の獲得に当たり『給与等の待遇・条件を改善する必要がある』と考えている担当者は多いものの、実施には至っていない状況が見受けられる」と分析している。調査は6月1日から7日にかけて実施。IT部門・情報システム部門の担当者808人に、ネットでアンケートを取った。

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