EcoFlow Technology Japanは8月10日、長寿命が特徴のポータブル電源「DELTA 2」を発表した。容量は1024Whで価格は14万3000円。10日から公式サイトや楽天市場の公式ショップなどで販売する。
電気自動車などに使われるリン酸鉄リチウムイオン(LFP)を使用したポータブル電源。3000サイクルの充電終了後も初期容量の80%を維持するとして「業界平均の6倍の長寿命」をうたう。
約50分で80%、約80分で満充電という急速充電も特徴。「一般的なポータブル電源は80%までの充電に7時間から9時間必要。DELTA 2はその約7倍の速さ」としている。
出力は定格1500Wで、6つのコンセント(AC100V出力)の他、急速充電が可能なUSB Type-Aが2つ、その他のUSB Type-Aが2つ、USB Type-Cを1つ備えた。
EcoFlowはDELTA 2を主にアウトドアや防災の用途に向けて販売する考え。発表会では停電を想定し、冷蔵庫や電子レンジ、湯沸かしポットなど家電製品にDELTA 2から電力供給するデモンストレーションを披露した。「一般的な電化製品の9割が動く」という。
ソーラーパネルからの充電も可能。同社の「EcoFlow 400Wソーラーパネル」を利用すると気象条件にもよるが3〜6時間で満充電になるという。「DELTA 2と折りたたみ式400Wソーラーパネルがあれば、停電や災害時もいつも通りの生活が送れる」。
同社によると日本ではとくに地方自治体からの引き合いが増えているという。ソーラーパネルでの充電ができることから再生エネルギーを活用する製品として、また災害対策としての需要が高まっている。
こうした追い風もあり、1年前には3社程度だった同社の販売代理店は35社にまで増えた。今後は再生エネルギーやアウトドア需要に加え、世界的な電力需給のひっ迫によっても需要は増えると見ている。
ただしEcoFlowがターゲットとしているのはあくまでも“家庭”。同社は一般におけるポータブル電源の認知度は3〜5%程度とみており、ブランドよりむしろポータブル電源自体の認知度向上を目指して周知活動を行っている。
例えば7月には日立製作所東北支社に協力して「青森ねぶた祭」に参加した。電飾を施した山車が町中を練り歩くことで知られるねぶた祭は、コロナ禍の影響で今年は3年ぶりとなる開催。同社はソーラーパネルを使って充電したポータブル電源を載せた「脱炭素ねぶた」を運航し、派手なライトアップで祭りに華を添えたという。
EcoFlowは、ドローンで知られる中国DJI出身のメンバーが集まり2017年に創業したポータブル電源専業メーカー。現在は100カ国以上に展開し、2021年の売上は2億ドル以上に成長した。社員数は全世界で1100人、工場勤務の人を含めて4000人。
DELTAシリーズは19年に発売し、21年までに世界で10万台以上を出荷している。EcoFlowは、DELTA 2の投入により22年はシリーズ累計30万台超を目指す。
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