この手順は、「SASサバイバルハンドブック(ジョン・ワイズマン著)」のジャングルで未知の植物を採取して食べる際の手順を参考にしているが、日常でも役に立つTipsの一例と言えるだろう。
缶詰は、比較的長期間の保存にも対応するが、保管場所の問題(高温多湿などで容器が破損する)などいくつかの要因で中身が痛んでしまうことがある。一見して、缶が膨らんでいる、内容物が染み出しているなどの場合には食べられないと分かるが、缶が膨らまない腐敗もある。いずれの場合にもかなり不快な腐敗臭がするので食べたいとは思わないはずだ。
「缶詰、びん詰、レトルト食品Q&A(保存性)」(日本缶詰びん詰レトルト食品協会)では、缶詰、びん詰、レトルト食品は、製造工程の中で加熱殺菌して腐敗の原因となる微生物を殺減しているので、新たに外部から微生物が侵入しなければ問題ないとしている。
とある缶詰メーカーの人の話によると、倉庫の整理などで賞味期限を大幅に過ぎた缶詰が発見されることがあるそうだが、その際は立ち会った関係者で分け合うこともあるという。適切な環境で保管され、缶の状態が問題なければ、調理スープに長時間浸されたものはかなりおいしく「熟成」されているということだ。
一方で、ジャガイモや里芋などの煮物やフルーツ缶は、賞味期限を過ぎるとボソボソになるなど舌ざわりや食味が落ちていると感じることもある。もちろん健康には問題ないのだがせっかくならおいしいうちに食べたいものだ。
そういった味が落ちてしまった缶詰やレトルトでもおいしく食べられるように再生する方法もある。例えば、ジャガイモとコーンのベーコン炒めの缶詰と、レトルト食品のミートソースを野菜ジュースで煮て、カレールーを投入してカレーにしてしまうなどだ。加熱するは殺菌にもなるのと、どうせボソボソした食感ならルーに溶かしてしまえばいいというアイデアだ。
ちなみに、非常食には缶詰、びん詰め、レトルトパウチ、フリーズドライ、アルファ化米など、いくつかの種類があるが、最も微生物が少ないのが加熱処理された缶詰、びん詰、レトルト食品などだ。フリーズドライは、乾燥しているので一見最も保存性があるように感じるが、残留する微生物の量としては加熱殺菌されたものに及ばない。
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