早稲田大学は8月24日、実験や研究の記録を、紙ではなく電子ノートに記載し、AIで自動解析するシステムを構築し、同システムを使った研究成果を出したと発表した。
従来は、実験ノートを紙に記録し、それを読み解いて解析用のデータベースを構築する必要があったが、新システムならこの手間を省くことができ、実験系研究室のDXを一気に促進できるとしている。
日々の材料実験の様子を、情報の関係性を点と線で繋いだデータ「グラフ構造」と呼ばれるデータ形式で記録。実験操作や結果、実施日や気温、装置や試料の状態なども記録でき、AIで処理しやすいという。
同システムを高分子固体電解質の実験研究で運用したところ、失敗も含めて500回以上の実験データをグラフ構造として記録でき、新材料の性能を規定しうる重要な構造・実験因子を抽出できたという。
研究成果は、2022年8月17日付けのNature系雑誌『npj Computational Materials』のオンライン版で公開された。
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