この記事は、Yahoo!ニュース個人に9月4日に掲載された『ネットの誹謗中傷に“歌”で対抗 匿名で叩かれた社長が作詞 「匿名の悪意が人を殺すこともある」から』を一部編集し、転載したものです。
著名人や成功した人などを、SNSや匿名掲示板などで“叩く”行為が後を絶たない。
2020年には、SNSで中傷を受けたプロレスラーの木村花さんが自殺するという痛ましい事件が起きた。ネットの中傷が人の命を奪うケースもある。
そんな中、自らも誹謗中傷の被害にあったベンチャー企業の社長が、問題に切り込む歌を作り、YouTubeでMVを発表した。
曲名は「Anonymous Punch」。匿名(Anonymous)の人から、よってたかって叩かれ(Punch)続け、追い詰められる心境をつづった歌だ。この曲を通じて、「1人でも、叩く行為をやめてくれたら嬉しい」と祈る。
Anonymous Punchに登場するのは、努力を積み重ね、ようやく成功した起業家やYouTuber、アイドルたち。かれらが匿名の人々によってたかって叩かれるさまを、こんな歌詞で表現した。
Punch! 昨日初めて殴られた
Punch! 誰が殴ってきたんだ?
振り返ってもそこに誰もいないのなぜ
姿 名前 何も分からないの あなた誰?
そして、叩かれる気持ちをこう描く。
平気な振りをして強がってみるけど 夜道が少し怖い
全てが敵に思えるの 怖くて眠れない これ以上はもう限界
作詞したのは、今年6月、ネットの記事をきっかけに5ちゃんねるなどで叩かれ、匿名の中傷の問題を痛感したという、ベンチャー企業・Timewitch代表の三浦健之介さんだ。
「叩いている側は軽い気持ちだと思います」。三浦さんは言う。「叩かれる側も最初の方は平気なのですが……」。
「それが重なると、叩いてくる人がいつどこにいるのか分からず、日々不安になり、全てが敵に思え、最後には自殺してしまう人がいる。そういう事実を分かってほしい」――三浦さんは、こう訴える。
この歌を着想したきっかけは、同社のサービスが取り上げられ、三浦さんがインタビューを受けたネット記事『元電通マン30歳が目指す「残業のない社会」 寝ている間に仕事が進むカラクリも』(bizSPA!フレッシュより)が、多くの人に読まれたことだ。
この記事をきっかけに三浦さんは、大量の誹謗中傷にさらされることになる。
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