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発表したてホヤホヤ「iPhone 14」を現地で触ってみた その第一印象は(2/3 ページ)

» 2022年09月10日 12時00分 公開
[村上タクタITmedia]

ProシリーズのみA16 Bionicを搭載

 今回はめずらしく2つのラインで搭載チップが異なる。iPhone 14シリーズは前述のようにA15 Bionicを搭載するが、iPhone 14 Proシリーズは新しく開発されたA16 Bionicを搭載する。

ノッチがパンチホールになった「iPhone 14 Pro」

 実際にiPhone 14 Proシリーズを目にして、「これは大きく使い方を変える!」と思うのは、Proラインにだけ採用される常時点灯式のディスプレイ。

 ディスプレイが常時点灯するのはiPhoneシリーズ初だが、Apple Watch Series 5以降で採用された常時点灯と似た仕組み。リフレッシュレートを1秒に1回まで下げて、ディスプレイの照度を下げて消費電力を抑えながら情報を表示し続ける。

iPhone 14 Proシリーズは常時点灯を採用。新しいコンプリケーションを表示できるロック画面と相まって、利便性を向上させる

 これにより、いつでも時間の確認が可能なのはもちろん、iOS 16で採用されるロック画面のカスタマイズにより、さまざまな情報を常時表示することができる。多くの人が1日に何度も日付や時間を確認するためだけにiPhoneのディスプレイをタップしていることを考えると、この機能がもたらす変化が大きいことはご理解いただけると思う。

 時間の他に、次の予定、天候、気温、今再生されている音楽などを表示しておけば、iPhoneのディスプレイをタップして起動する必要性は大きく下がる。また家族の写真など、好きなグラフィックを表示しておくのもいいだろう。いつも一番身近にあるデバイスが黒いガラス面を晒しているよりは、フェイバリットなグラフィックが表示されている方が楽しい気分になれる。

「ノッチ」は「Dynamic Island」に

 もうひとつの進化がFaceTimeカメラ周りのデザイン変更だ。

 従来はディスプレイに「ノッチ」と呼ばれる部分があったが、iPhone 14 Proシリーズではノッチはなくなり、楕円形のホールが設けられるようになった。

 ただし、アップルはこのホールの周りに「情報を表示する黒い部分」をデザインすることで、ホールの形状を把握しにくくする「Dynamic Island」というデザインを採用した。この黒い部分は、音楽再生状況を表示したり、タイマーの動作状況を表示したり、Face IDの通知を表示したりと用途によって幅や形状を変化させる。これにより、True Depthカメラのホールが気にならないというわけだ。

Dynamic Islandが様々に形を変えるので、カメラホールに気付かなくなる

 これも、アップルがハードウェアとソフトウエアの双方をデザインしているからこそ行えるデザインのひとつだといえるだろう。

4800万画素の賢い利用方法

 なんといっても、今回のiPhone 14 Proシリーズの最大のトピックのひとつは、メインカメラとして4800万画素のクアッドピクセルセンサーを搭載したことだろう。

カメラ部分のサイズは、iPhone 13 Proシリーズよりさらに大きくなっているように見える

 この新しいセンサーをアップルは、さまざまな使い方をすることで、カメラ体験全体を向上させてている。単に4800万画素の写真が撮れるということではないのだ。

 通常使用時は、4つのピクセルを2.44μm相当のクアッドピクセルにひとまとめすることで大きな光量を得られ、低照度の状態でもノイズの少ないディテールに優れた画像を得ることに成功している。

 また、センサー中央の1200万画素分を切り取って使うことで、2倍のズームレンズとして使用することもできる。これによりiPhone 14 Proシリーズは、3つしかレンズを持たないにもかかわらず、0.5倍、1倍、2倍、3倍の4段階で光学ズームを獲得している。従来1倍の広角レンズと3倍の望遠レンズは間が少しあったので、(デジタルズームを使いたくない場合には)適切な画角を得るのが難しい画面があったが、その問題を非常に賢い工夫で解決したといえるだろう。

デジタルズームなしで、0.5倍、1倍、2倍、3倍の4段階ズームを実現

 日常で撮影する写真は1200万画素に抑制されるから、ストレージが圧迫されるということもない。

 そして、4800万画素の高解像度を存分に使いたければ、ProRAWで撮影すればいい。ポートレートや風景写真など、プロレベルの写真を撮影し、思い通りに加工することができるようになるはずだ。

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