米Google傘下のYouTubeは9月20日(現地時間)、クリエイター収益化のための「パートナープログラム」の拡大などで、短い動画「Shorts」(日本では「ショート動画」)に特化したクリエイターの支援を強化すると発表した。
ショート動画は、YouTubeが2021年5月に提供開始したTikTok対抗と目される短い動画コンテンツだ。YouTubeショートの1日当たりの視聴回数は300億回以上、月間ログインユーザー数15億人以上に成長したという。
YouTubeは同年9月にショート動画クリエイターを支援するための1億ドルのファンドを立ち上げたが、これまで他にショート動画クリエイターの収益化手段ほとんどなかった。
2023年から、ショート動画クリエイターは、チャンネル登録者1000人以上、直近90日間のショート動画視聴回数1000万回以上などの条件を満たせば、パートナープログラムに申請できるようになる。一般の動画クリエイターの場合、パートナープログラム申請の条件の1つに総再生時間4000時間というものがあるが、これはショート動画の場合かなり敷居が高かった。また、「Super Thanks」などの視聴者からの投げ銭機能のテストを開始し、2023年には本格的に展開する予定だ。
昨年立ち上げた1億ドルのファンドから、新たな広告収益分配モデルに移行する。ショート動画の広告は、フィードの動画と動画の間に表示される。この広告からの収益を毎月合算し、クリエイターへの報酬と音楽ライセンス費用に充てる。クリエイターには広告収益の45%を分配する。分配率は、合計視聴回数の割合に基づく。
「クリエイターミュージック」は、「音楽業界とクリエイターの間の橋渡しをする」新たなプログラム。これはショート動画だけでなく従来の動画クリエイターにも朗報だ。
これにより、クリエイターは動画に使える楽曲を集めた音楽カタログへのアクセスが容易になり、音楽のアーティストや権利所有者にも楽曲による新たな収益源を提供できるようになるとしている。
クリエイターミュージックはまずは米国でβ版として提供を開始し、2023年に対象地域を拡大する予定だ。
短い動画共有では中国ByteDance傘下の米TikTokが人気だが、TikTokではまだクリエイターの収益化が整っていない。同社は5月に新広告サービス「TikTok Pulse」を発表したが、フォロワー10万人以上のクリエイターが対象とかなり厳しいものだ。
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