神戸市は10月4日、飼い犬の死亡・住所変更に際して提出された市民の個人情報100件超を紛失したと発表した。業務を委託していた神戸市獣医師会が誤廃棄した可能性が高いという。同会では市民から電話で届け出を受けたとき、いったんノートなどにメモしてから帳票に転記しデータベースに入力していたが、データ化前にメモを紛失した。今後は紙媒体に個人情報を残さないようにして対策する。
狂犬病予防法に基づいて飼い犬を登録しており、4月5日から5月13日にかけて電話で神戸市獣医師会に死亡や住所変更の届け出をした市民の氏名、住所、電話番号、飼い犬の名前を紛失した。詳細な件数は特定できておらず、100〜150件を紛失したとしている。対象の届け出はデータベースへ反映できていない可能性がある。どの市民の届け出が反映できていないかも分かっていないという。
神戸市は公式サイトや広報紙を通して、対象期間中に電話で届け出をした人に再度手続きをするよう呼び掛ける。再発防止に向け、神戸市獣医師会を介した届け出は停止。電話での届け出は衛生監視事務所の「生活衛生ダイヤル」に一本化する他、2022年春に導入した電子申請システムの利用を推進する。どちらの場合においても、紙媒体で個人情報を残さないようにするという。
紛失が発覚したのは5月16日。神戸市獣医師会の職員が、対象期間に聞き取った情報のメモを紛失していることに気付いたが、当時は上長に報告しなかった。業務に当たった「データ入力室」でメモを探すも見つからず、8月下旬になって上長に報告。再度探したものの9月22日まで見つからなかったので、26日に市に伝えたという。
神戸市は(1)職員はノート・書類の持ち帰りを禁じられていたこと、(2)データ入力室は関係者以外入れず、業務終了後は施錠していること、(3)紛失の時期に大量の郵送物が届いており、連日封筒などを廃棄していたこと──などから、誤廃棄の可能性が高いとみている。
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