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「Pixel Watch」約4万円は高いか安いか Google初のスマートウォッチの実力は?(2/3 ページ)

» 2022年10月13日 13時00分 公開
[山川晶之ITmedia]

数日使ってみた印象

 実際に使ってみると、普通のスマートウォッチとして問題なく使えると感じた。見た目より厚みはあるものの、サイズはApple Watchなどとほぼ変わらない。軽量に仕上がっているのでつけ心地も悪くない。タッチ精度は問題なく、通知を伝えるハプティクスも振動が感じにくいといったことはなかった。

 ただし、ロック解除後のモーションやアプリの立ち上げ/切り替えなど、動作にカクつきを感じることもたびたびあった。可能であればアップデートで改善してほしい部分だ。

41mmだがサイズ感はそこまで小さいとは感じない
友人からApple Watch Series 7を借りて比較してみた

 文字盤(ウォッチフェイス)は複数の種類からカスタマイズできる。「タイル」というショートカット機能もあり、ウォッチフェイスを表示させたまま左右にスライドすると、Fitbitの歩数や消費カロリー、天気、Googleカレンダー、Googleマップなどに各アプリにアクセスできる。タイルはスマートフォンのWatchアプリからカスタマイズする。

 下からスワイプすると通知の履歴、上からスワイプすると機内モードや設定などショートカットボタンにアクセスできる。Google Homeボタンもあり、家のスマート機器にアクセス可能だ。

 Wear OSデバイスは円形ディスプレイが多いからか、大抵のUIは丸形ディスプレイに最適化されている印象だ。Android Wearから数えると8年が経過しており、OSに関しては熟成が進んでいる。ただ、スクウェアタイプと比べると4隅の情報がクロップされてしまうため、文字サイズを大きくすると表示できる情報量が少なくなってしまう。ディスプレイを大きくしたモデルがほしくなる。

 バッテリーの持ちに関しては、常時点灯ディスプレイを使った状態でも1日は持つ印象だ。6日以上持つ「Sense 2」など、Fitbitの他のスマートウォッチと比べると持ちはだいぶ短いが、Fitbit系はアクティビティのトラッキングに注力しているデバイスで、Wear OSを搭載していない。Apple Watchや他のWear OS系スマートウォッチにもいえることだが、パワーが必要なチップと高機能なOSを動かすとなると“毎日充電”はまだ避けられそうにはない。

Suicaは使えるが……

 さて気になるGoogle Payの使い勝手だが、正直微妙だ。NFC TypeA/BだけでなくFeliCaに対応しているが、すでに報じた通り交通系ICはSuicaのみ。PASMOなどには対応しない。しかも、既存のSuicaを読み取ったり定期券機能を使うことはできず、新規発行に限られる。GarminやFitbitのスマートウォッチに搭載されている限定バージョンのSuicaと同じ仕様のようだ。

Suicaは限定バージョンの実装となる
コンビニのレジで試したが問題なく支払いできた。ボタンをダブルタップするとGoogle Payがスタンバイになるので、あとはかざすだけだ

 しかも、iDやQUICPayなど、FeliCa系のキャッシュレスサービスも利用できない。「Visaのタッチ」は使えるのかなと、対応クレジットカードを何枚か設定してみるもエラーが出る。Mastercardも同じだ。引っかかる点としては、Pixel Watchに追加するカードを選択する画面で、カードの券面に「iD」ロゴが表示されていたことだ。スマホ側のGoogle Payで「Visaのタッチ」の支払い元として登録しているカード(Visa/iD両対応のカード)でも、iDロゴが表示される。もしかしたら、まだNFC TypeA/B系には対応しないのかもしれない。

NFC系を設定しようとしたがエラーが出てしまった

 ちなみに、スマートフォンからPixel Watchに設定したSuicaの残高確認/チャージをするには、Watchアプリから「Google」の項目に進み「Google Pay」をタップする必要がある。Google Payからは直接アクセスできない。まだ、Pixel WatchでGoogle Payを立ち上げ、Suicaの券面をタップ→「スマートフォンで開く」からアクセスしたほうが楽だ。

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