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三菱UFJ信託、「Dprime」情報銀行データを活用し新商品開発 第1弾はクラフトビール

» 2022年10月13日 17時10分 公開
[斎藤健二ITmedia]

 三菱UFJ信託銀行は10月13日、情報銀行サービス「Dprime」に登録されたデータを活用して商品やサービスを開発するプロジェクト、「Dprime Lab」の第1弾となる成果を発表した。

 Dprimeユーザー1400人のデータを元に生まれたのは、廃棄食材から生まれたサステナブルビール。長野県野沢温泉村のクラフトビールメーカーAJB Co.が開発を担当した。

三菱UFJ信託銀行の谷川和路常務執行役員(右)と、Dprimeユーザーのデータを活用したビールを開発したAJB Co.創業者のリヴシー絵美子氏(左)
情報銀行内のデータを活用し、商品開発に生かした

 Dprimeは2021年1月にスタートした情報銀行サービス。登録した個人の趣味嗜好などのデータを、本人同意の範囲で企業などに提供、マーケティングや商品開発に利用する代わりに、特典などを返す仕組み。開始から1年半で、利用者数は10万人を超え、参加する企業も300社を超えた。

 Dprime Labでは1400ユーザーの情報を活用した。趣味嗜好や年齢などの基本情報のほか、どんなシチュエーションで飲みたいかというデータを新たに取得して提供。さらに試作品を送付して試飲してもらい、そこからのフィードバックも開発に生かした。「プライバシーを保護しながら、企業と個人の共創によって社会課題を解決していきたい」(三菱UFJ信託銀行)

4種類のクラフトビールを開発した。AJB Co.のオンラインストアで販売するほか、野沢温泉と横浜の店舗でも販売する
ユーザーの趣味嗜好に合わせてビールを開発した

 クラフトビールを普段飲まないユーザーの意見も開発段階から聞けたことが、新たなビールの開発に有効だったとAJB Co.は言う。また参加者の85%がクラフトビールの購入意向を示し、フードロス防止商品の選択意向が26%アップするという認知効果もあった。

 10月14日からは、第2弾としてロスフラワーを活用したオフィスアイテムの開発、器やグラスを伝統技術を持つ職人と作り上げるプロジェクトを開始する。こうした試みを通じて、Dprime自体のユーザー数も2024年3月期には25万人を目指すとした。

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