米SpaceXや米TeslaのCEO、イーロン・マスク氏は10月15日(現地時間)、ウクライナ政府から要請を受けて3月から続けているStarlinkサービスの同国での無償提供を今後も続けるとツイートした。「Starlinkはいまだに損失を出している」が「われわれはそれでも善行をなすべきだ」ともツイートした。
同氏は前日、Starlinkが米国防総省にウクライナ支援の費用を負担するよう依頼したと米CNNが報じたことを受け、「SpaceXは(ウクライナに対し)これまでの費用の支払いを求めはしないが、無期限に資金を提供することも、一般家庭の100倍のデータを使う端末をさらに数千台提供することもできない」とツイートした。
別のツイートで同氏は、ウクライナ支援で「既に8000万ドル掛かっており、年末までに1億ドルを超える見込みだ」と説明した。
CNNによると、SpaceXは国防総省への書簡で、向こう1年のStarlinkによるウクライナ支援には約4億ドル必要になる可能性があるとしているという。
マスク氏は前言撤回の理由を説明していないが、金曜のツイートには多数の批判が寄せられていた。
ウクライナ支援を続けるというマスク氏のツイートについた「No good deed goes unpunished.(罰せられない善行はないという慣用句)」というコメントに対し、マスク氏は「だとしても、善行はなさなければならない」とリプライした。
ロシアによるウクライナへの2月24日の侵攻2日後、ウクライナのミハイロ・フェドロフ副首相がツイートでマスク氏にStarlinkでの支援を要請した。マスク氏はすぐに同国に大量のStarlink端末を届け、現在は約2万台の端末がウクライナに納入済みだ。
フェドロフ氏は13日、「100発以上の巡航ミサイルがエネルギーおよび通信インフラを攻撃した。だがStarlinkのおかげで、重要なエリアでの接続を迅速に回復できた。Starlinkは、引き続き重要かつ不可欠なインフラだ」とツイートした。
Starlinkのサービスは、数千基の低軌道通信衛星で提供されているため、ミサイルなどでの破壊が難しく、戦場での使用に向いている。
SpaceXは現在、日本を含む約40カ国でStarlinkサービスを提供している。日本でのサービス利用料は月額1万2300円からで、利用するには7万3000円からの端末セットを購入する必要がある。
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