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電動キックボードのLuup、飲酒運転対策を強化へ 一部ポートに警備員、アプリ内で注意喚起

» 2022年10月17日 16時20分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 電動モビリティのシェアサービスを手掛けるLuup(東京都渋谷区)は10月17日、電動キックボードの飲酒運転防止の強化策を発表した。アプリの機能改修や、都内のポートの一部で有人での安全啓発活動などを行うという。東京海上ホールディングスと連携して実施し、電動キックボードを巡る交通ルールへの理解の浸透を目指す。

飲酒運転防止に向けた取り組みについて

 Luupのスマートフォンアプリ内で飲酒運転防止を呼び掛ける機能を強化する。これまで電動キックボード乗車前には、飲酒運転の注意喚起画面を表示していたという。今後は内容をアップデートし、飲酒運転が発覚した利用者はアカウントが凍結されることや、法律上の罰則規定があることも知らせるとしている。

アプリ起動時に表示されるポップアップ(左)、電動キックボードの乗車開始前に表示される注意喚起(右)

 また、都内の一部ポートには午後10時から午前6時まで警備員を配置する。対象になるのは、繁華街で酒類を提供し、かつ深夜まで営業する店の多い場所の近くにあるポート。電動キックボード利用者に飲酒の有無の確認や、安全利用のためのガイドブックを配布するという。10月中の週末を中心に一部平日でも実施し、以降不定期に行うとしている。

 電動キックボードを巡っては、利用者の男性が9月25日、転倒して頭を強く打ち死亡する事故が発生。男性が乗っていた車両にはヘルメットの着用義務はなく、男性もヘルメットを着けていなかった。また飲酒運転の可能性もあったという。これに対し、Luupは事故の起きた車両が同社のものであったと公表していた。

 Luupでは事故以前から、電動キックボード利用のために運転免許証の登録やアプリ上で走行ルールの確認テストの全問正解などを義務付けていた。同社は「今回の事故を重く受け止め、安全性向上に向けた不断の検証を進めていくとともに、飲酒運転の防止や交通ルール順守の取り組みをより一層徹底する」と表明している。

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