2010年発売の初代モデルから数えて10代目に突入した「iPad」。ついにホームボタンがなくなり、LightningはUSB-Cに置き換わった。iPadといえば、いわばスタンダード機に相当するが、第10世代は6万8800円からとかなり高価になった。
見た目も中身も大きく変わったiPad。値段なりの価値はあるのか、そしてUSB-Cポートなのに「Apple Pencilは第1世代のみ」という奇妙な仕様の使い勝手はどうか。先行でレビューをお届けする。
さっそく、話題になったApple Pencilから触れてみる。iPadは、無印を除きPro/Air/miniの3モデルがApple Pencilの第2世代に対応する。第2世代は、ワイヤレス充電に対応しており、本体横にマグネットで取り付けるだけで充電が始まる。ペアリングも同様だ。一方で、第1世代はLightning端子を内蔵しており、iPadと物理的に接続しないと充電もペアリングもできない。
普通に考えてiPad ProやiPad Airと同じように、サイドを平坦なデザインに変えたのなら、便利な第2世代のApple Pencilに変えるべきだ。特に、本体のコネクターがLightningからUSB-Cに変更されているとあっては、なぜ第1世代のApple Pencilと組み合わせるのか、意味が分からない。しかも、充電にはLightningとUSB-Cを変換する「USB-C - Apple Pencilアダプター」が必要となる。
つまり、iPad第10世代でApple Pencilをペアリング・充電しようとすると、「本体→USB-Cケーブル→USB-C - Apple Pencilアダプター→Apple Pencil 第1世代」と非常に面倒なことになってしまう。これはシンプルさ、美しさに重きを置くアップルとは思えないデザインだ。
ところが、実物を触って実際に充電してみると、そこまで面倒だとは思わなかった。むしろ本体に突き刺して充電するという、従来の仕様の方が奇妙だったのではないのでは。と思えてくるようになった。
日常使用でいえば、充電器からUSB-CケーブルでiPadを充電したついでに、そこにアダプターを組み合わせたApple Pencilを繋げて充電してしまえばいい。とても簡単だ。Apple Pencilとアダプターとセットとしてとらえるのだ。
アダプターは、従来の「Lightning - Apple Pencilアダプター」(両方がLightningのメス)より大柄で紛失しにくそうだ。なんなら、Apple Pencilに挿しっぱなしにしておけば紛失する心配も少なくなるだろう。いっそ、社外品でキャップを兼ねた変換アダプターが出れば便利だと思うのだがいかがろうか。
もし、どうしても面倒なら、Logicoolの「Crayon for iPad」を使うという手もある。Crayon for iPadは1万800円とリーズナブルで、充電コネクターはUSB-C。変換アダプターは不要になる。Crayon for iPadは筆圧感知機能を持たないが、傾き感知機能は備えている。デリケートな絵を描くのではなく、図やメモ書きにしか使わないのならCrayon for iPadでも充分だ。
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