ITmedia NEWS > 製品動向 >

ご褒美に高級キーボードという選択 「REALFORCE R3S」の30gと45gを試してみた小寺信良のIT大作戦(2/3 ページ)

» 2022年10月27日 16時30分 公開
[小寺信良ITmedia]

長年変わらぬ丁寧な作り

 双方を並べてみても、見た目はまったく同じである。違うのはキー荷重だけだ。キー荷重とは、平たく言えば何グラムの力で押したときにキーが下がるかという、キーのカタさを表わす指数である。なおREALFORCEは、キーの場所によってキー荷重が変わる「偏荷重モデル」で人気を博したが、残念ながらR3Sシリーズで偏荷重なのは日本語配列のみで、英語配列の場合は30gか45gかどちらかを選ぶ必要がある。

色はブラックのみ。キートップの文字は白ではなく、明るい肌色のような落ち着いたカラー
右肩にREALFORCEロゴ
安心のMADE IN JAPAN

 荷重としてどっちがいいのかというのは、難しい問題だ。30gに対して45gは重そうに思えるが、実際には45gでも一般的なキーボードより軽く打鍵感がいいので、重さによる負担は感じない。

 打鍵感の良さは、キーのぐらつきが少なく真っすぐ下に降りるために、無駄な力がいらないこと、押し込んだあとの「戻り」にパワーがあり、指の力を抜いただけで自然に押し戻してくれる特性によるものだ。機械スイッチ特有のカチカチした底打ち感がなく、スッと入ってスッと戻る。

 キーボードのスイッチについて、昨今はやれ赤軸だ茶軸だと説明抜きに語られているところである。これはスイッチを押した際のフィーリングを、そのスイッチの軸の色で区別したものだ。一方REALFORCEのスイッチは、基本的にそうした議論の外側にある。なぜならば、スイッチの構造が全然違うからだ。

 いわゆるメカニカルスイッチと呼ばれる、1個1個独立したスイッチを並べて作られたキーボードでは、スイッチがON、つまり文字が入力されるには、金属接点が触れあって通電する必要がある。

 一方伝統的にREALFORCEが採用するのは、電極を使わない無接点方式のスイッチだ。電極の間を帯電させておき、電極同士の距離が狭くなる事による静電容量の変化を検出して、ON判定を行なう。従って、キーを一番下まで押し下げなくても反応する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.