PC周辺機器において、キーボードほど好みが分かれるものはないだろう。「そもそもキーボードにこだわる意味が分からない派」が多数を占める昨今、キー配列、スイッチの種類、サイズ、キートップの印刷方法に至るまで、さまざまな流派が存在する。タイトルの30gと45gを見て、あーキー荷重のことかと分かってしまったあなたは、もうこっち側のニンゲンである。はいこっち来てこっち来て。
まだデスクトップPCが主力だった時代は、キーボードは必ず本体につなげていたので、こだわる人も多かったものだ。だがこのノート全盛時代に、わざわざ別にキーボードをつなげて使うというのだから、大変な話である。昔は存在しなかった「キーボード自作派」も勢力を伸ばし、人数は減ったが幅が拡がってきた世界なのだと思う。
しかしよく考えてみて欲しい。ここのところ、キーボード入力がコミュニケーションの中心になってきた人も多いのではないだろうか。ケータイ時代のメール、スマホ時代のチャットツールは、モバイルでコミュニケーションするのに役だった。だがそもそも通勤しない、在宅でずっと仕事という事になれば、多くのテキストコミュニケーションをPC上で行なうことになる。以前よりも、PCでのタイプ数は増えてきているのではないかと思う。
ノートPCのキーボードでパチャパチャやってると指がダルい、という方は、外付けキーボードを検討のタイミングかもしれない。はいそういうあなたもこっち来てこっち来て。
ハイエンドキーボードではいくつか知られたブランドがあるが、東プレの「REALFORCE」とPFUの 「Happy Hacking Keyboard」は、多くのファンを持つ、定番商品である。
筆者とREALFORCEの付き合いは長い。まだREALFORCEというブランドがそれほど定着しておらず、むしろメーカー名である「東プレ」の名前の方が知られていた時代からの付き合いである。記事を探してみると、2003年に「Realforce101」を購入したようだ。
2003年といえば19年前という事になるわけだが、当時筆者はまだ専業ライターになって3年目ぐらいである。その駆け出し時代を支え、文字通り苦楽を共にしたのがRealforce101であった。コネクターがPS2なので、今となっては変換アダプターを用意しないと使えないのだが、いまだ捨てるには忍びなく、大事に保存してある。
Realforce101をきっかけにキーボード病をこじらせた筆者は、昨今ではすっかりKINESISのようなエルゴノミクス派となったが、REALFORCEの良さを忘れたわけではない。
そんな折、これまで日本語キーボード(JIS配列)しかなかった「REALFORCE R3S」という現行のシリーズに、英語キー6モデルが登場した。フルサイズは3タイプで、45g通常、45g静音、30g静音。テンキーレスも同様の3タイプである。
フルサイズとは右側に10キーが付いているモデル、テンキーレスは文字通り10キー部分がない、省スペースタイプだ。金融・会計や研究・開発など数字を扱う機会が多い方はフルサイズが便利だろうが、右側が長くなるので、マウスまで手が遠くなるという欠点がある。
家庭でノートPCと組み合わせるのであれば、省スペースなテンキーレスがいいだろう。今回はこの最新REALFORCEのうち、テンキーレス45g静音と30g静音を使わせて頂ける機会を得た。本稿では、よりキーボードにこだわる人を増やすため、なるべく専門用語を使わずに説明していく。
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