11月8日、夜空が明るい東京でもバッチリ観測できる天体ショーが繰り広げられた。月が地球の影に完全に隠れる「皆既月食」がそれだ。今回は地球の中心部を通ったため月食時間が86分と長かった他、天気が良好な地域も多く、たくさんの人が赤黒く染まった月を見上げたことだろう。
こんな素敵な天体ショーは写真に収めたくなるものだが、スマホのカメラだとどうしてもキレイに撮影できないためか、「スマホの限界」「iPhoneの限界」などがTwitterのトレンドにランクインしていた。
それもそのはず、月を撮影するにはかなりのズーム倍率が必要な上、影の中に月がある分暗くなってしまう。手ブレなども起きやすくなるため、通常のスマホには荷が重い被写体なのは間違いない。
しかし、カメラが進化した最新スマホならきっと月食も難なく撮れるはず……!
ということで、最新スマホたちで皆既月食を撮り比べてみた。エントリーは編集部員の手元にあった「iPhone 14 Pro」「Pixel 7 Pro」「Galaxy S22 Ultra」の3機種。どれも最新かつズーム性能に優れるハイエンドモデルだ。
なお、複数人で撮影したため、作例は3機種とも全く同じ時刻・位置から撮影したものではないことをご了承いただきたい。
まずはiPhoneシリーズの最新ハイエンドモデルから紹介しよう。iPhone 14 Proは、超広角、広角カメラに加え、光学3倍・約1200万画素の望遠カメラを搭載している。デジタルズームは最大15倍まで可能だ。
そんな最新iPhoneの結果だが、月食を撮るとそこには夜空を浮遊する“イクラ”の姿があった……。もとい、イクラのような月が写っていた。デジタルズームの画質は悪く、クレーターなどの判別は不可能。光学3倍は月を撮るにはどうしても不利になる。しかも、月食が明け始めるとピントがほぼ合わなくなり苦戦を強いられた。どうも暗いシーン中の点光源+デジタルズームはiPhoneの苦手分野らしい。
一応擁護すると、3倍ズームは日常を「ちょっと遠くから切り取る」時には便利な画角なのである。筆者はカメラが趣味で好きな画角は中望遠域の85mm付近。iPhone 14 Proの3倍ズームは35mm換算で77mm相当とこの画角に近く、圧縮効果を効かせたスナップに最適。ずっと遠くを撮れる高倍率ズームも楽しいのだが、スナップの醍醐味を味わえるのはiPhoneの3倍ズームだと個人的に思っている。
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