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皆既月食がキレイに撮れるスマホはどれだ! iPhone、Pixel、Galaxyの最新モデルで比べてみた(1/3 ページ)

» 2022年11月09日 23時30分 公開
[山川晶之ITmedia]

 11月8日、夜空が明るい東京でもバッチリ観測できる天体ショーが繰り広げられた。月が地球の影に完全に隠れる「皆既月食」がそれだ。今回は地球の中心部を通ったため月食時間が86分と長かった他、天気が良好な地域も多く、たくさんの人が赤黒く染まった月を見上げたことだろう。

11月8日の皆既月食(出典:国立天文台)

 こんな素敵な天体ショーは写真に収めたくなるものだが、スマホのカメラだとどうしてもキレイに撮影できないためか、「スマホの限界」「iPhoneの限界」などがTwitterのトレンドにランクインしていた。

 それもそのはず、月を撮影するにはかなりのズーム倍率が必要な上、影の中に月がある分暗くなってしまう。手ブレなども起きやすくなるため、通常のスマホには荷が重い被写体なのは間違いない。

 しかし、カメラが進化した最新スマホならきっと月食も難なく撮れるはず……!

 ということで、最新スマホたちで皆既月食を撮り比べてみた。エントリーは編集部員の手元にあった「iPhone 14 Pro」「Pixel 7 Pro」「Galaxy S22 Ultra」の3機種。どれも最新かつズーム性能に優れるハイエンドモデルだ。

 なお、複数人で撮影したため、作例は3機種とも全く同じ時刻・位置から撮影したものではないことをご了承いただきたい。

皆既月食をうまく撮れるスマホはどれだ!

 まずはiPhoneシリーズの最新ハイエンドモデルから紹介しよう。iPhone 14 Proは、超広角、広角カメラに加え、光学3倍・約1200万画素の望遠カメラを搭載している。デジタルズームは最大15倍まで可能だ。

「iPhone 14 Pro」

 そんな最新iPhoneの結果だが、月食を撮るとそこには夜空を浮遊する“イクラ”の姿があった……。もとい、イクラのような月が写っていた。デジタルズームの画質は悪く、クレーターなどの判別は不可能。光学3倍は月を撮るにはどうしても不利になる。しかも、月食が明け始めるとピントがほぼ合わなくなり苦戦を強いられた。どうも暗いシーン中の点光源+デジタルズームはiPhoneの苦手分野らしい。

【クリックで拡大】月食中の月(写真左)と月食から明ける途中の月(写真右) 月食から明ける様子を撮ろうとすると、あまりの明暗差にAFが迷い気味に。しかも近接撮影と勘違いしたのか、別のカメラに切り替わるなど挙動も不安定だった

 一応擁護すると、3倍ズームは日常を「ちょっと遠くから切り取る」時には便利な画角なのである。筆者はカメラが趣味で好きな画角は中望遠域の85mm付近。iPhone 14 Proの3倍ズームは35mm換算で77mm相当とこの画角に近く、圧縮効果を効かせたスナップに最適。ずっと遠くを撮れる高倍率ズームも楽しいのだが、スナップの醍醐味を味わえるのはiPhoneの3倍ズームだと個人的に思っている。

【クリックで拡大】筆者が撮影したiPhone 14 Proの3倍ズームの作例。中望遠スナップとして使いやすい画角だったりするので日常使いでは重宝している
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