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皆既月食がキレイに撮れるスマホはどれだ! iPhone、Pixel、Galaxyの最新モデルで比べてみた(2/3 ページ)

» 2022年11月09日 23時30分 公開
[山川晶之ITmedia]

すごいぞ「Pixel 7 Pro」「Galaxy S22 Ultra」

 さて、次はPixel 7 Proだ。光学5倍、4800万画素の望遠カメラを内蔵しており、スペックは申し分ない。クロップすれば(1ピクセルあたりの受光面積は大幅に減るが)光学10倍の1200万画素カメラとしても機能する。さらにGoogleは超解像技術に定評があり、デジタルズームは最大30倍をほこる。

「Pixel 7 Pro」

 そんなPixelの写りは申し分ない。高画素+超解像がうまく働いているようで、暗い月食でもクレーターの模様を切り取ることができた。AFの挙動も比較的安定している他、望遠撮影時は、手ブレ補正にブーストが掛かるのでピタッと被写体を止めることができる。あとはシャッターを押せば良い。しかも、一歩引いた画角を小窓として左上に表示してくれるため、望遠撮影でも被写体を捕捉しやすい(同様の機能はS22 Ultraにもある)。

【クリックで拡大】月食中の月(写真左)と月食から明ける途中の月(写真右) iPhone 14 Proと異なり、かなり月として撮影できている。月食明けは、全体が暗いのに一部分だけ眩しいほどに明るいため、夜に引っ張られて露出を限界まで下げても白飛びすることが多かった。何度か明るい部分に露出が合ってくれたため、すかさず撮影した1枚だ
Pixel 7 Proは、高倍率撮影時に全体を把握できる「小窓」が画面左上に出現する。小窓はS22 Ultraにもある

 Pixelの圧勝かと思いきや、ダークホース的存在がGalaxy S22 Ultraだ。望遠カメラは2つ搭載。光学3倍に加え、1000万画素の光学10倍ズームを内蔵している。iPhoneとPixelのいいとこ取りだ。S22 Ultraでは、2つの望遠カメラとAIによる超解像技術を組み合わせ、なんと100倍のデジタルズーム「スペースズーム」を実現している。

望遠カメラを2基搭載する「Galaxy S22 Ultra」

 その100倍ズームだが、Pixel 7 Proとはまた違う写りをしていた。S22 Ultraが捉えた月は、像が3つのスマホの中でもっとも大きく浮かび上がったが、Pixel 7 Proと比べると暗さが目立つ。しかし、光量が復活する月食明けはクリアな月が姿を見せた。通常時の月だとスマホとは思えない写りを見せる。

【クリックで拡大】月食中の月(写真左)と月食から明ける途中の月(写真右) 月食中は暗さが目立つが光量が復活すると真価を発揮する
【クリックで拡大】光量がある月だと3つのスマホの中で一番の写りだ

 3つのスマホを見てきたが、どのスマホが一番かは好みが分かれるかもしれない。しかし、やはり高倍率のズームレンズを持つPixel 7 Pro、Galaxy S22 Ultraは「皆既月食を撮れるスマホ」といっても過言ではないだろう。手持ちのスマホで天体ショーを収められるとは良い時代になったと思う。

 なお、8日は天王星食も同時に発生していたが、さすがに小さすぎて捉えることはできなかった。

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