スマートフォンゲーム「Pokemon GO」などで知られる米Nianticは11月16日(米国時間)、米Qualcommの新チップを搭載した屋外用ARグラスのリファレンスデザインを公開した。両社の技術を組み合わせたARプラットフォームを構築し、パートナー企業に提供する考え。
ARグラスはNianticのマップを使用して現在位置を確認し、現実の風景に情報やキャラクターをレンダリングするデバイス。利用者はグラス越しの風景を見ながらコントローラーを片手にARゲームなどをプレイできる。スマートフォンとは違う「目線を下げないAR」が実現するとしている。
同時に公開したデモ映像には現実の看板の上にARで追加情報を表示したり、家の屋根をARのロボットが走り回ったりするシーンもある。現実とレンダリングしたキャラクターをリンクさせるのは、Nianticが提供する「Lightship VPS」(VPS:Visual Positioning System)だ。ARグラスのカメラが写した景色を基にセンチメートル単位の精度で利用者の位置を測定、顔の向きまで把握できる。
ARグラスのリファレンスデザインにはQualcommが16日に発表したばかりの最新チップ「Snapdragon AR2 Gen 1」を搭載する。このチップは4nmプロセスで製造され、従来の「Snapdragon XR2」に比べて50%省電力かつ強力なAI処理能力、低遅延のWi-Fi 7対応などが特徴。Nianticの他、LenovoやLG、シャープといったパートナー企業へ提供するとしている。
QualcommとNianticは、2019年のSnapdragon XR2発表時にARグラス開発で協力すると発表。21年3月にはNianticのジョン・ハンケCEOがARメガネと思われる写真をツイートして話題になった。また今年5月にはQualcommがARメガネのリファレンスデザイン「Wireless AR Smart Viewer」を公開し、開発キットをNinanticにも提供したことを明らかにしていた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR