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毎月、何らかの災害が起きていた──22年振り返りとこれからの備えデジタル防災を始めよう(3/3 ページ)

» 2022年12月30日 10時00分 公開
[戸津弘貴ITmedia]
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毎月何かしらの災害が起こる国、備えは

 こうして振り返ると毎月何かしらの災害が起こり、被害が発生している。災害大国日本においては、万が一というより頻度の高い災害に備えることを優先するべきかもしれない。また、こうして振り返ると防災には共通の備えや心構えが必要とも感じる。

 1つは何度か紹介している「マイタイムライン」の作成とアップデートを行い続けること。それだけでも災害への対処力は大幅にアップすると思う。詳細な対策を事細かく決める必要はないが、自分の住んでいる地域や行動範囲でどのような災害などが起きやすいかは数年住んでみればわかってくると思う。引っ越しなどで初めての土地であってもハザードマップなどから情報は得られるはずだ。

国土交通省がPDFで提供している、マイタイムラインのガイドブック(PDFへのリンク

 基本的な災害時の行動としては、「初撃を回避」して、勤め先や自宅エリア、通勤経路などの行動範囲のインフラが機能しているかどうか、どのくらいダメージがあるかによって、「そのエリアで避難(生活)をする」か「被害の軽度なエリアへ避難(脱出)する」か、を選ぶということになる。

 その具体的な方針がマイタイムラインであり、自宅や職場の家具の転倒防止や食料やトイレの備蓄などの備えの指針になる。

 マイタイムラインの作成が難しい、詳細を詰められないという場合には、基本的な備蓄に関して「ローリングストック」をするだけでも有効だ。

 水、食料、生活必需品であれば1週間から10日程度、買い物に出なくても家にあるものだけで賄えるように備えるだけで今年起きた多くの災害は対処できる。新型コロナウイルスの感染拡大初期にもみられたが、大雪や台風などで流通がとまると予想されるとスーパーやコンビニから食料などがなくなるからだ。ローリングストックがあればわざわざ買いに出なくても良いので混乱を避けられるほか、その時、本当に必要な人が手に入れられることにもなる。

ローリングストックに適した食品群

 また、電力ひっ迫だけでなく台風や大雪、噴火などでも停電が発生することが多いので、モバイルバッテリーやポータブル電源など、必要に応じた電力の備蓄やカセットコンロやストーブなどの電気を使用しない火器や暖房なども余裕があるなら備えておきたい。アウトドアアイテムは、災害時のシェルターや調理、暖房などに活用できるものも多いので、日常やレジャーとして楽しみつつ防災対策もできる。

 クルマを所有している人は、クルマ自体を防災アイテムにするアイデアがある。EVやPHVであれば搭載バッテリーそのものが巨大な蓄電池として利活用できるし、雨風を凌げるシェルターにもなる。また、最近では車載用の防災グッズとして水や食料、防災ブランケットなどをディーラーオプションとして販売しているケースも増えてきた。大雪で大渋滞となった場合でも、車載の防災セットがあれば暖を取ったり飢えをしのぐことも可能だろう。

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