では触ってみるとどうか?
現在のMacはどれも十分に高速なので、ウェブやオフィスソフトを使うくらいだと差がよくわからない。だがベンチマークソフトで測ると、やはり違いは明白だ。
今回は定番ベンチマークソフトである「GeekBench 5」と「Cinebench R23」を使って、まずCPU周りのテストをしてみた。参考として、M1搭載のMacBook ProやM2搭載の「MacBook Air」などでの、過去のテスト結果とも比べて見ている。
アップルは「2割速度が向上する」とコメントしていたが、確かにベンチマーク上、2割近く性能がアップしている。
M2搭載製品が登場したとき、「M2とM1 ProやMaxは、どっちが上なのだろうか?」という疑問があったように思う。
答えは「M2よりM1 Proの方が速い」。今回、M2 Proを加えてあげることで、序列はさらに明確になった。
すなわち、「世代が違うと20%程度速度が上がり、同じ世代でProだと60%から70%速くなる」という感じだ。だから、M2とM1 ProではM1 Proの方がずっと速く、M2 Proになるとさらに速くなる。
一方で、シングルプロセッサー性能だと、世代が変わると速くなるものの、差は極端に大きなものではない。
すなわち、「Pro」「Max」とコア数が増えていくことで性能をアップさせていくのがAppleシリコンのやり方であり、「M2」世代でヒエラルキーの作り方が明確になった、と考えればわかりやすい。
ソフト開発や動画編集などは、処理が早く終わるならそれに越したことはない。あとはそこにいくら払うのか、という問題が残るのだが。
そして、CPU以上にM2 Proになって性能アップを感じられるのがGPU性能だ。
今回試用したモデルの場合、GPUコアは19個ある。M1 ProモデルはGPUコアが16個だったので、3つ増えているわけだ。
GeekBench 5での速度差は26%程度だったのだが、これはコア数の増加(計算上18%アップ)以上の性能向上だ。
この辺は、リアルタイムCGで確認するとよりわかりやすい。Appleシリコンに最適化された、カプコンの「バイオハザード ヴィレッジ」を動かしてみると、描画コマ数がざっくり3割多くなっている。
設定は、解像度WQHD(2560×1440ドット)で、画質優先。画質をあまり劣化させずにコマ数を稼ぐ「MetalFX Upscaling」機能はオフとした。
この設定だと、M1 Proでもフレームレートは毎秒30から50コマくらいで、60コマを切る。しかし、M2 Proでは60コマ以上安定……とはいかなかったものの、おおむね50-70コマとなり、かなり「なめらかな方に安定した」と感じる。そこで「MetalFX Upscaling」をオンにすればもっと安定するわけだ。
まだMac向けのゲームは少ないが、今後「No Man's Sky」などのAAAゲームもMac向けに出てくる。それらをゲーミングPCに近い環境で楽しめると考えていいだろう。
逆に言えば、それだけのパフォーマンスがあるということは、CG制作のプレビューなどでリアルタイムCGを使う場合にも効果は大きい、ということになる。
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