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» 2023年02月02日 21時00分 公開

「PayPay」と「LINE Pay」の統合は来るか? “ZHD大合併”で注目すべき2つのポイント(1/2 ページ)

Zホールディングスと傘下のヤフー、LINEの3社が合併することが決まった。今回の決定によって両社サービスの今後に改めて注目が集まることになったが、今回はそのうち「PayPay」と「LINE Pay」に話を絞って解説したい。

 Zホールディングスと同子会社であるLINE、ヤフーの3社は2月2日、2023年度中をめどに合併する方針であることを発表した。

 広告市況の急速な悪化を鑑みた意思決定の迅速化と会社統合による効率化と競争力強化を狙った施策だが、今回の決定によって「2021年の経営統合時点では統廃合が行われなかったLINEとヤフー両社のサービスは今後どうなるのか?」という点に改めて注目が集まることになった。今回はそのうち「PayPay」と「LINE Pay」に話を絞って解説したい。

「PayPay」と「LINE Pay」はいつ統合されるのか

「すぐには統合されない」といえる2つのポイント

 2021年の経営統合発表時点では、PayPayとLINE Payの短期的なサービス統合には触れられず、現状においても「PayPay加盟店でLINE Pay(アプリによる決済)が利用できるようになった」という部分で留まっている。現状でLINE Payの決済を提供する加盟店は残っているものの、QRコードはPayPayを基準としたものに統合されており、実質的に「店舗側ではPayPayに統一」という状態になっている。

 2月2日に開かれた合併方針発表会では、個々のサービスの今後についての言及は避けていたが、おそらく現時点ではまだ決定事項は何もなく、特にPayPayとLINE Payのサービス統合については優先順位が低いと考えられる。合併方針発表会に続く形で実施されたZホールディングスの決算会見では複数サービスの廃止について言及があったが、この中にLINE Payはまだ含まれていないというのが筆者の考えだ。

 理由はいくつかあり、1つはPayPayがZホールディングスの直接の子会社ではなく、あくまで(通信事業の)ソフトバンクとの共同株主で66%の株式を保有する体制であること、もう1つはLINEとYahooのID統合に関する方針が挙げられる。

 前者について、PayPayは3社の合併対象から外されており、合併後も独立企業体として存続する。同社はソフトバンク自身の金融戦略としても組み込まれているほか、市況の変化で実施時期が延びた可能性があるが、株式上場を控えていることもあり、それに影響を及ぼしそうなLINEの一方的な統合といった施策は打ち出しにくいと思われる。

 後者については、店舗決済こそPayPayに寄せるられているが、残高を管理するアカウント情報はLINEとPayPayで別々に存在しており、合併方針発表会でも「LINEとYahooのID統合は2023年以降」と述べており(当初質疑応答での回答は「2023年度中」とあったが、後に訂正で「2023年以降」とされた)、おそらく両ID統合による、2つの決済サービスのアカウント統合もまた直近で実行される可能性は低い。つまり1〜2年の視点でいえば現状維持に留まるとみられる。

3社合併後の新会社の構成にPayPayは含まれない
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