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「PayPay」と「LINE Pay」の統合は来るか? “ZHD大合併”で注目すべき2つのポイント(2/2 ページ)

» 2023年02月02日 21時00分 公開
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課題はLINE Pay独自のサービスをどうPayPayに寄せていくか

 とはいえ、合併後は実質的に同じ企業内で2つの決済サービスが併存することになり、経営効率の面でマイナスなのは確かだ。

 LINE Pay用QRコードのPayPayへの統一が進んで以降、店舗決済でLINE Payのコード決済が利用されるケースは激減している。PayPayでの取引として扱われることにも由来すると思われるが、2020年以前にはコード決済の分野でLINE Payのシェアは上位3〜4位には含まれていたものが、コード統一が行われた2021年以降はほぼランキング圏外となり、存在感を消失している。

 ただ現状で「Visa LINE Payクレジットカード/プリペイドカード」といった支払い手段があるほか、比較的好調なキャッシングサービスである「LINEポケットマネー」など、LINE Payと連携する周辺サービスがいくつか存在する。クレジットカード事業自体はPayPayカードとバッティングする存在だが、すでに一定層のユーザーがおり、すぐのタイミングでの統合は難しい。

LINE独自のキャッシングサービス「LINE ポケットマネー」

 この他、若年層など新規ユーザー開拓を目指した「LINE Bank」という銀行事業が準備中で、こちらは合併後の整理対象にはならないことが現時点で明言されている。対象となるのはLINEを利用する層で、LINE Payとの連携はある程度考慮されたものになると考えられる。

 このように、店舗決済におけるLINE Payのコード決済の存在感は薄まっても、それに紐付く独自サービスは現状のPayPayには見られないものもあり、今後の統合の中でこれらをどうやってPayPayに寄せていくかが大きな課題となる。まだ少し先の話となるが、このあたりの話は方針が決定しだい、順次どのような扱いがなされるか合併後の新会社から発表されることになるだろう。

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