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会話で検索できる「新しいBing」、Microsoftがプレビュー公開 ChatGPT開発元の次世代モデル採用

» 2023年02月08日 06時31分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Microsoftは2月7日(現地時間)、米OpenAIの次世代大規模言語モデル採用の「新しいBingとEdge」を発表した。Microsoftはこれらを「AI採用のWebの副操縦士」と考えているという。英語版Bingで限定プレビューを試せる。

 bing 1

 限定プレビューは、用意された12の質問をクリックするというものだが、ウェイティングリストに登録し、承認されればフルアクセスできるようになる。

 queries 用意された質問

2つの条件を満たせば、順番が早くなるという。条件というのは、Edgeをデフォルトブラウザに設定し、モバイル版Bingをスマートフォンにインストールすること。いずれもMicrosoftアカウントでのログインが前提だ。

 default ウェイティングリスト参加の条件

 限定プレビュー段階では、自由な検索クエリは使えず、プレビュー画面の12の質問のいずれかをクリックすると、従来のBingの検索結果の右にAIチャットbotによるテキストでの回答のカラムが表示される。

 bing 2 新しいBingの回答例

 フルアクセスできるようになると、追加の質問をしてBingと会話できるようになるという。ウェイティングリストに登録し、フルアクセスできるようになるとMicrosoftアカウントにメールで通知が来る。

 Microsoftはこの新しい検索方法に新たな名称を付けてはおらず、「新しいBing」としている。また、採用するエンジンはOpenAIの「ChatGPT」の言語モデル「GPT-3.5」ではなく、「OpenAIのモデルを使う独自開発の」次世代言語モデル「Prometheus」(プロメテウス)としている。ChatGPTのトレーニングデータは2021年までのものだが、サンプルの質問の答えにはより新しい情報(2023年に開催される音楽フェスなど)が含まれる。

 新しいBingでは、最大1000ワードの長さのクエリを入力できる。FAQによると、新しいBingは「Web全体で関連するコンテンツを検索し、見つかった内容を要約して役立つ応答を生成する」という。

 新しいEdgeにはチャットとコンテンツ作成のサイドバーが表示されるようになる。チャットには、ユーザーが表示している例えば長い財務報告書の要約を表示し、チャットで競合他社の財務との比較を求めたり、その結果を表にまとめたりできる。また、Microsoft傘下のLinkedInへの投稿用コンテンツ作成を依頼することもできるという。

 edge 新しいEdgeの画面

 こうしたAIによる支援についてMicrosoftは、「AIは間違いを犯す可能性があり」「説得力があるように聞こえるが、不完全、不正確、または不適切な応答が表示される場合があります。Bingの対応に基づいて決定を下したり行動したりする前に、あなた自身の判断を使用し、事実を再確認してください」と注意を促している。チャットbotのカラムの右上には1クリックで回答を評価することもできるようになっている。

 Microsoftのこの発表は、米Googleが“実験的な会話型AIサービス”の「Bard」を発表した直後に行われた。Googleは8日にAI関連のイベントを開催する予定だ。

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