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Twitter API有料化、詳細いまだ発表されず X-DAYは間もなく ユーザーの混乱は避けられずか

» 2023年02月08日 12時47分 公開
[松浦立樹ITmedia]

 米Twitterが発表したTwitter APIの有料化が日本時間でいよいよ明後日へと迫っているが、2月8日時点で同社はその詳細を明らかにしていない。米Twitterは2日、Twitter APIの無料提供を終了し、9日(現地時間)から有料化すると発表。「詳細は来週発表する」と投稿していたが、この対応についてユーザーからは不満の声が上がっている。

Twitter APIの有料化を発表したツイート
2日時点で詳細は来週発表と予告していた

 Twitterの検索欄で「Twitter API」と検索すると、8日時点でサジェストには「Twitter API 詳細」「Twitter API まだ」などと表示される。見ると、ユーザーからは「TwitterAPIまだ情報でてないのか」「API停止が明日に迫っているのに音沙汰ない」「突然内容発表されて大混乱とかあり得そうで怖い」など不満や不安を訴える意見が上がっている。

「Twitter API」のサジェスト

 APIサービスのユーザーたちは「Twitterの公式発表があり次第、対応を発表する」という方針を取らざる得ない状況になっている。また、個人開発者が提供していたサービスなどは有料化に合わせて運用を停止するという発表もある。フォロワー数約318万人の「地震速報」(@earthquake_jp)もその1つで、「継続したい気持ちはあるが、現方針のままでは難しい」としている。

8日時点でのAPI有料化についての情報は?

 Twitter APIの有料化に合わせて、8日時点でAPIを無料利用しているサービスが停止した場合、多くの企業や組織がその影響を受ける。例えば、ツイートを自動で投稿するbotや診断結果などをワンクリックで投稿するWebサービス、Twitter連携によるログイン機能、マーケティングや学術研究目的の検索API利用など……これらが全て一斉に停止することになる。

 一方、スマートフォンゲーム「ブルーアーカイブ」「アズールレーン」などを手掛けるYostar(東京都千代田区)は「Twitter社に確認を取った」とし「Twitterアカウントとの連携機能の仕様について影響がないと回答があった」と発表している。このことから「ログイン連携には影響がないのでは」という見方をするユーザーもいるが、これについてもTwitterからの公式発表は確認できていない。

 Twitter公式から8日時点で確認できている発表は、イーロン・マスクCEOのツイートのみだ。3日には「無料APIは、botを使った詐欺師や、意見を操作する者に悪用されている。検証プロセスやコストがかからないため、10万個のbotを簡単に悪用させることができてしまう」と指摘

 続けて「ID認証を伴うAPIアクセスに月々100ドル程度を支払うだけで、事態は大幅に改善されるだろう」と投稿し、有料APIの価格が月額100ドル程度になることを示唆している。

 また、5日には「フィードバックに応え、優れたコンテンツを提供するbotには軽量で書き込み専用のAPIを無料で提供する」とツイート。しかし、「優れたコンテンツ」の基準や「軽量で書き込み専用のAPI」の仕様については詳細を明かしていない。

 米国の現地時間で9日午前0時は、日本時間での9日午後5時に当たる。そのため、この時間がX-DAYとなり、有料化はここで実行されると見るユーザーもいる。9日に迎えるであろうTwitterの“新時代”がどのようなものになるか。注目が集まる。

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