ITデバイスとSaaSを管理するSaaS「ジョーシス」を提供するジョーシス社(東京都品川区)は2月21日、野村総合研究所(野村総研)、マクニカと業務提携を結んだことを発表した。両社の販売チャネルを活用し、中小中堅企業への販売を強化する。
大企業に比べ中小中堅企業ではIT活用が進んでいない。IT人材が足りない一方で、IT部門は社員サポートなどオペレーション業務に多くの時間を取られている。そこに追い打ちをかけるように、爆発的にSaaSの数が増加している。
野村総研のマルチクラウドインテグレーション事業本部長の大元成和氏は、この状況を「いまクラウドカオスと言われているが、次はSaaSカオスが来る」と表現する。ジョーシスを利用すると、SaaSのアカウント発行、削除の自動化や、未利用アカウントやシャドーITの可視化が可能だ。野村総研では、ジョーシスの販売を通じてSaaSカオスに対応していく考えだ。
大企業を中心に情報システムの導入などを支援しているマクニカも、ジョーシスに期待する。2022年3月に、トヨタ自動車のサプライチェーンに連なる小島プレス工業がマルウェア攻撃を受け、その結果トヨタの14工場が止まり、約1万3000台の生産を見送る事態になるという事件があった。セキュリティ対策は大企業だけで完結するものではなく、サプライチェーン全体で対応しなくてはいけないというリスクが浮き彫りになった形だ。
マクニカのネットワークカンパニーバイスプレジデントの吉井奉之氏は「サプライチェーン攻撃において、中小中堅の企業を守っていく」と話し、ジョーシスをサプライチェーンを構成する中小中堅企業への導入を進める考えだ。23年度には80社、27年度には1000社への導入を目指すという。
ジョーシスは21年9月にサービスを開始し、現在までに200社強が導入している。今回初めて外部の販売パートナーを活用する。
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