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GPT-4にGPT-4の発表を要約させてみた 人間よりも良い記事になるか? 超長文をChatGPTに読ませる方法も(1/4 ページ)

» 2023年03月16日 19時40分 公開
[井上輝一ITmedia]

 日本時間の3月15日午前2時ごろに発表があった、米OpenAIの大規模言語モデル「GPT-4」。筆者は起床していたので即対応でき、おそらく日本の商業メディアでは最速で記事を掲載できたが、時間との戦いかつ、準備がない深夜の働かない頭で記事を書くのは、大事な点をしっかり網羅できたか不安な部分もあった(いま見返しても問題はないと思うがあったら随時指摘してほしい)。

 何より、米国司法試験の模擬問題で受験者上位10%であるとか、日本語を扱わせてもGPT-3.5英語版より性能が高いだとか、とにかくその言語処理性能がずば抜けているという話だ。執筆しつつ、自分という人間が書いていることにやや滑稽さも感じた。

 であれば、まずはやってみるのが一番だ。GPT-4はGPT-4の発表文をうまく要約できるのか?

(とにかく最終結果を見たい人はこちら

GPT-4はGPT-4の発表文をうまく要約できるのか?

どうやって本文を読ませるか→プログラミング思考で解決

 よく、TwitterなどでChatGPTを使う際に見られるのが「このURLに書いてあることを要約して」のような命令だ。これをするとそれっぽい答えは返ってくるのだが、実はChatGPTにURLにアクセスする機能は(いまのところ)ない。URLという文字列から答えを類推しているにすぎない。単に「GPT-4のことを教えて」と命令しても答えは返ってくるだろうが、何を参照した答えなのかは曖昧だ。今回の用途なら、参照元ははっきりさせたい。

 では発表本文をコピペで与えればいいかというとこれも一筋縄ではいかない。この発表文は本文だけで約1万8000文字あり、GPT-4ではAPI利用なら英語で8192単語(トークン)、特に一部の開発者向けには3万2768単語までの文脈を保持できるとあるものの、ChatGPT上で本文をそのまま入れてみたところ「長すぎて無理」(意訳)とエラーが返ってきた。

 そこで、変数に代入することを考えた。ChatGPTの利用をめぐっては最近「プロンプトエンジニアリング」などと呼ばれる手法が編み出されており、そうした手法の一部では自然言語、つまり日本語や英語でプログラミングのようなことができてしまうらしい。

 ならば、本文を分割していくつかの変数に入れればいいのではないか。実際に[変数]という形を変数にしますよ、と宣言した上で、本文のセクションごとに[sec0]から[sec11]まで変数を作り、文字列を代入した。

ChatGPTでは変数に文字列を格納させることができる(これはGPT-3.5でもできること)

 本当にそれぞれの変数に指定した通りの文字列が入っているのか? と試しに「sec9に格納された内容を表示してください」と入力したところ、sec9に格納した「ChatGPT Plus」の項目が一字一句違わず表示された。

sec9に格納した「ChatGPT Plus」の項目が一字一句違わず表示された
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