米Adobeは3月21日(現地時間)、ジェネレーティブAI「Adobe Firefly」を発表、同日よりプライベートβ版を公開した(英語版のみ)。同社は、2022年10月に倫理や法律面で透明性を高めた画像生成AIの開発を予告していたが、まずは画像とテキスト効果の生成から展開。今後は、動画やオーディオトラックの編集などを言葉でAIに指示できる世界を目指すという。
Adobe Fireflyは、同社のストックフォトサービス「Adobe Stock」を活用し、プログレードのライセンス画像数億枚に加え、オープンライセンスコンテンツ、著作権の期限が切れたパブリックドメインコンテンツでトレーニングしており、商用目的のコンテンツ生成に利用できるとしている。
Fireflyの初代モデルは、プロンプトを元に画像やグラフィックス、テキスト効果の生成を実現。クリエイティブツール群「Creative Cloud」の他、ドキュメントソリューション「Document Cloud」、デジタルマーケティングソリューション「Experience Cloud」、Adobe Expressとの接続を想定する。さらに、さまざまなプラットフォームでAPIを介してFireflyを提供する計画もあるという。
Fireflyは、ユーザーのテイストをトレーニングできるよう計画しており、ユーザーのスタイルやブランド言語に基づいたコンテンツを生成できる予定としている。なお、クリエイター所有のコンテンツがFireflyのトレーニングに使われないようにするための「Do Not Train」タグも導入。クリエイターが公開した作品に埋め込むことで、Fireflyによる学習を防止することができる。
今後は、雰囲気を伝えるだけで動画の修正やオーディオトラックのカット編集ができる世界を目指し、「Copilot」としてワークフローをサポートする。数百もの作品のバリエーションを、自分のユニークなスタイルで瞬時に生成し、アプリケーションワークフローとジェネレーティブAIが融合することで、クリエイターとコンピューター間の会話は今後より自然で、直感的なものになるとしている。
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