ネットワーク効果をプロダクトの戦略として織り込む場合、売り手と買い手などの性質の違う双方のユーザーをどうやってひきつけるかが重要になる。特に獲得・維持が難しいユーザーをハードサイドと呼ぶが、BtoBプラットフォームにとってのハードサイドは言うまでもなく、フランチャイズやサプライチェーンのトップに君臨する大手企業である。
大手企業が導入すれば取引先も導入する流れとなるが、請求書発行システムや電子契約システムをすでに導入してしまっていた場合は、その企業内で2つのシステムを並行利用することになりかねない。重要なのは、どの業界にいつ参入するかのタイミングなのである。
そういう観点ではフード業界向け電子商取引プラットフォームに00年代前半に参入したBtoBプラットフォームは、紙やFAXといった非効率なやり取りを一掃する救世主となった。
コロナ禍を経て、インボイス制度や電子帳簿保存法の準備に奔走する企業にとって、「どうせデジタル化するのであれば統一的な規格を作りたい」という大手企業の思惑と、「法律対応とデジタル化をきちんとやりたいが、なるべくコストをかけたくない」という取引先の思惑を、一発でかなえる唯一のプロダクトになっている。
アナログなやり取りが当たり前で、その非効率性に疑問も持っていなかった人が多かったフード業界の中で、粘り強く電子商取引プラットフォームに向き合ってきたインフォマートの真の強みが発揮されるのは、まさにこれからなのかもしれない。
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