日本のクレジットカードの発行枚数は2億9千万枚。実に1人に3枚が発行されている計算となり、生活に欠かすことができないツールの1つとなっている。一方で法人間取引におけるクレジットカード決済の割合はまだ低く、公共機関がパーチェシング(購買)カードを使っている米国などとは大きな格差がある。
法人用のクレジットカード(いわゆる「ビジネスカード」)も昔から存在はしているが、役員の接待用や出張が多い営業マン用に利用されるケースが多かった。近年ではオンライン決済の普及により、総務がアマゾンやアスクルを支払う場合や、情報システム部門がクラウドサービスなどの利用料を決済する際などに利用されることも増えてきたが、あくまでもクレジットカードでしか支払えない取引に限って利用されるものである。
そのビジネスカードにも最近新しい動きが出てきた。freeeやマネーフォワード、UPSIDER、LayerXなどのスタートアップの参入である。
日本におけるスタートアップへの投資額はこの10年で約10倍になっているが、従来のクレジットカード会社はこの新しい企業群のニーズを汲み取れず、ずっと無視してきた。そこにスタートアップがスタートアップのためのビジネスカードを提供するべく、一気に参入したのである。
今回のSaaS対決では、クレジットカードの歴史や機能をひも解きながら、UPSIDERとバクラクビジネスカードが提供する、決済と管理を円滑にするためのSaaS的な機能を掘り下げていく。単なる支払手段としてのビジネスカードではなく、企業における決済領域全ての業務プロセスをいかに円滑にしていくかという話になるため、自社の既存の業務プロセスやその課題も踏まえて中長期的に導入の可否を検討してほしい。
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