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Google親会社のAlphabet、増収減益 YouTube広告不調もクラウドは初の黒字

» 2023年04月26日 07時13分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 Googleの持株会社である米Alphabetは4月25日(現地時間)、2023年第1四半期(2023年1月〜3月)の決算を発表した。Alphabet全体の売上高は、前年同期比3%増の697億8700万ドル、純利益は8%減の150億5100万ドル(1株当たり純利益は1ドル17セント)と、3四半期連続の減益となった。

 同社は大規模人員削減とオフィススペースの削減に関するコストとして26億ドルを計上した。

 売上高、1株当たり純利益ともにアナリスト予測(売上高は689億ドル、1株当たり純利益は1ドル7セント)は上回った。

 alphabet 1 Alphabet全体の業績

 セグメント別売上高は、主力の広告全体は0.2%減の545億4800万ドル。広告全体の12%を占めるYouTube広告が3%減と3四半期連続の減少になったが、検索エンジンの売り上げは2%増の403億5900万ドルだった。クラウドサービスは28%増の74億5400万ドルで、営業利益が1億9100万ドル。Alphabetは2020年からクラウドを1つのセグメントとしているが、同セグメントが黒字になったのは初めてだ。

 PixelやNest、Chromebookなどのハードウェア、アプリストア、広告以外のYouTubeの売上高などを含む「Google other」の売上高は9%増の74億1300万ドル、Alphabetの「Other Bets」(ムーンショット部門のCalico、CapitalG、Chronicle、GV、Verily、Waymo、Xなど)の売上高は35%減の2億8800万ドル(営業損失は12億2500万ドルで、前年同期より約3億9000万ドル増加した)。

 alphabet 2 セグメント別売上高

 AlphabetとGoogleのCEO、スンダー・ピチャイ氏は発表文で「この四半期は検索が好調で、クラウドも勢いを増している。コンピュータサイエンスとAIの分野で重要な製品アップデートを導入した。目標は、ユーザーにとって最も役立つ答えを提供することだ。大きな機会があり、われわれのイノベーションの長い実績を継続している」と語った。

 Googleは米OpenAIや米Microsoftに数カ月遅れて2月にAIチャットサービス「Bard」を発表し、3月にβ版を一般公開した。

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