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「変・身!」 AWSで作った“変身ベルト”、実機で遊んでみたAWS Summit Tokyo

» 2023年05月01日 13時00分 公開
[吉川大貴ITmedia]

 変身ベルト。それは男子の永遠のあこがれ──少なくとも記者にとってはそうだ。放送中の「仮面ライダーギーツ」の変身ベルト「デザイアドライバー」ももちろん買った。今日も「仕事してる場合じゃねえ! 早く家でライダーベルトで遊ぶんだ!」とは口に出せず、真面目に社会人をしていたら、なんと取材先で偶然にも変身ベルトに出会った。

photo 展示品のベルト

 その日、記者が取材に行っていたのは、クラウドサービス「Amazon Web Services」の技術や活用事例を紹介する大型イベント「AWS Summit」。会場内のブースでは、AWSの機械学習サービスを活用した電子工作の一例として、手作りの変身ベルトが展示されていた。もちろん楽しく遊んできたので、本記事ではその様子を紹介する。

20代半ば男性 人混みの中、変身

 展示されていたのは「特定の変身ポーズを取ると、ランプが発光する」仕組みの自作ベルトだ。変身ポーズを取ると、バックル裏面にあるマイコンモジュール「M5Stack Core2 for AWS」の加速度センサーが動きを検知。動きが変身ポーズのものかを判別し、当てはまった場合はLEDを光らせる仕組みだ。マイコンモジュール以外の素材は全て100円均一ショップで調達したという。

 早速遊んでみる。どうやら仮面ライダー1号の変身ポーズに反応するらしい。20代半ばの男性記者が人混みのなかで変身ポーズを取るのはなかなかハードだが、オタクなので大丈夫だ。たださすがに手作りなので、そこまで反応精度が良いわけではなかった。

photo 変身!

 取りあえず1号に加え「クウガ」「龍騎」などいろんなポーズを試したが、3〜4回に1回反応するかな、という程度だった。周囲の目を気にして全力を出さなかった記者が良くなかった可能性もあるが。多分ヒーローには勇気が必要なのだろう。

そもそもなぜAWSが変身ベルトを?

 そもそも、なぜAWSが変身ベルトを展示しているのか。実はこの変身ベルト、AWSの機械学習サービス「Amazon SageMaker」の活用例でもあるのだ。開発に当たっては、何度も変身ポーズを取って集めたという加速度データから機械学習モデルを作成。変身ポーズに近い動きを検出し、LEDが光るようになっている。

 機械学習モデルをマイコンなどで動かせる「TensorFlow Lite for Microcontroller」を使っており、動作の判定からLED点灯までスタンドアロンで動くという。

photo ベルトの仕組み(公式ブログから引用)

 もともとはAWSが公式ブログで紹介していたもので、記者も存在は知っていたが、実物を見たのは初めてだった。「こんなのできるんだ」と思っていたところ、取材先で実物を見つけたのでつい引き寄せられてしまった次第だ。

 なお、変身ポーズをセンサーで検知できるライダーベルトはバンダイが2020年ごろから大人向けブランドで商品化している(赤外線センサーを使ったものが多い)。ただ、大人向けとだけあってどれもそこそこのお値段だ。例えば22年に発売した「CSM変身ベルト 世紀王サンドライバー」は4万4000円する。ある意味、AWSのベルトにはリッチな体験をさせてもらった……のかもしれない。

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