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AI開発に挑戦したい! PC・ワークステーションは何を選ぶべき? 用途や目的別に解説(1/2 ページ)

» 2023年05月09日 08時00分 公開
[石井英男ITmedia]

 「Midjourney」や「ChatGPT」などの生成AIが、さまざまなシーンで活躍している。こうしたAIの急速な発展を支えているのが、AI演算を効率良く実行できるAIハードだ。一口にAIハードといっても、さまざまな製品があり、用途によって最適な製品が異なる。その中から今回は、PCやワークステーションを紹介する。

 最小のAIハードであるエッジデバイスは基本的に推論を行うためのデバイスだが、PCやワークステーションは推論だけでなく学習にも使われる。つまり、既存のAIソリューションを活用するためだけでなく、独自AI、あるいは独自AIを搭載したプロダクトを開発するためのハードウェアでもあるのだ。

代表的なAI開発用PC

 まずはAI開発用PCを紹介する。AI開発用PCは外観は一見普通のタワーマシンだが、ハードもソフトも一般的なPCとは異なる部分がある。CPUはIntelのCore iプロセッサを採用する製品が多く、CPUだけを見れば一般的なPCと変わらない。一方、GPUは一般向け製品ではなく、AI向け製品を搭載している。

 AI向けGPUの代表には「NVIDIA RTX A6000/A5000/A2000」がある。また、OSも基本的にWindowsではなく、AIの開発環境が充実している「Ubuntu」などのLinuxディストリビューションがインストールされている。

 PCショップ「パソコン工房」を運営するユニットコム(大阪市)が販売する「DEEP∞」は、AI開発用に設計されたPC/ワークステーションだ。AI開発を容易にするGPU Cloudプラットフォーム「NGC」の動作検証済みである。

 エントリーモデルの「DEEP-M059-117-NLXS」は「Core i7-11700」と「RTX A2000」を搭載し、最小構成時で30万円を切るという、コストパフォーマンスの高さが魅力だ。本格的にAI開発を行うためのPCというよりは、まずはプロトタイピングを行いたいといった用途に向いている。

DEEP-M059-117-NLXS(パソコン工房の公式Webサイトから引用

 PCショップを運営するアプライド(福岡市)が手掛ける「CERVO Deep Type-DPCS-Q」は、CPUに「Core i9-10900X」、GPUに「RTX A5000」を搭載している他、GPUは最大4基まで搭載することで演算性能を高めることも可能だ。OSはUbuntuで、NGCや各種AI開発フレームワークなどがプリインストール済み。深層学習に最適化された開発環境となっている

CERVO Deep Type-DPCS-Q(アプライドの公式Webサイトから引用
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