ただし、気になる点も少なからずある。Pixel Tabletにはオプションとして専用ケースが用意(1万2800円)されているが、もしホルダーとの着脱を頻繁にするつもりなら、購入をオススメしておきたい。というのも、ホルダーへの装着にだいぶコツがいるのだ。
ホルダーは傾斜が強く、Pixel Tablet側にもホルダーにうまくドッキングさせるためのガイドが磁力以外存在しない。しかも、「接地面から浮いている場所」がホルダーとの接続場所なので、きちんと位置を狙わないと一発でドッキングできないのだ。Nest Hubとのデザイン的一体感を優先したのだろうが、残念ながら「見た目はスマートなのに使い勝手はそうでもない」になってしまっている。
ケースには、ホルダーの形に合わせたメタルリングスタンドを内蔵している。これがガイドの役割を果たし、うまく着脱できるようになっているとされている(今回貸出数の関係で借りることができなかった)。メタルリングスタンドは、タブレット単体で使う際もスタンドとして使えるので便利ではあるが、ホルダーとの装着感をタブレット単体で解決しなかったあたり、Google自ら「デザインの敗北」を宣言したようにみえてしまう。
なお、タブレットのスマートディスプレイ的なアプローチはPixel Tabletだけでなく、AmazonのFireタブレットが一足早く実現している。「Fire HD 10」などは、Qi充電に対応した専用のスタンドがオプションで用意されており、置くだけで充電され自動で「Showモード」が起動。Alexaがスタンバイする。立て掛けるだけ良いので、デザインはともかく実用面では上手くまとまっている。
また、周辺アクセサリーはちょっと寂しい。スタイラスペンの規格である「USI 2.0」に対応していたり、背面に専用端子を内蔵していたりするのに、Google純正ではスタイラスペンもキーボードカバーも用意されていない。何ならスタイラスペンが使えることも大きくアピールしていない。ハイエンドタブレットがよく押し出す「何かを作る」というアプローチを避けているように見える。
Snapdragon 888クラスのチップに、8GBのメモリ、クオリティの高い11インチ2.5Kディスプレイを考えると少し勿体ない。今後登場する可能性もあるが、事前に告知しなかったということは、今のところ「スマートディスプレイにも変身する高性能なコンテンツ消費デバイス」と見るのが正しいのかもしれない。
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