一方で、視野の狭さは気になった。レンズの径が小さいため、はっきり見える範囲は円形で、その周囲のぼやけた視界も常に目に入っている。双眼鏡をイメージすると分かりやすいだろう。室内ならともかく、この視野で外を歩くことはできそうにない。
もう1つ気になったのは、nendoの佐藤オオキ氏が手がけたという近未来的なデザイン。かっこいい。かっこいいんだけど……普通の社会人が街中で使うには少しばかり勇気がいる。そんなことを考えていたら、南部社長が意外なことを言い出した。
近未来的なデザイン、そしてクラウドファンディングというテストマーケティング手法は、いずれも「あえて購入のハードルを少し上げるために採用した」というのだ。
ViXion01は視野が狭く眼鏡を代用できるものではない。用途も限られる。一方で目のピント調節で本当に困っている人など、ViXion01を必要とする人もいる。医療機器ではないから誰でも購入できるが、だからこそ購入前にその仕様や特性をしっかり理解してほしい。そのためのハードルだ。南部社長は「“眼鏡”を期待しないでほしい」と話している。
では、現状どんな人に適しているのか。
ViXion01の開発を担当した内海俊晴さん(取締役、開発部長)によると「細かい作業を長時間する人、例えば模型作りや半田ごてを使った電子工作、PCで長時間原稿を書く人など」。確かに細かい作業をする時にメガネを着脱する煩わしさから解放されるのはうれしいだろう。
「製品を出した後、ユーザーの方々が我々の想像とは違う使い方をするケースもあるでしょう。まずは体験してほしい」と南部社長。29日から二子玉川にある「蔦屋家電+」(東京都世田谷区)で先行体験も可能な展示を行う。
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