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目のピント合わせを外部デバイスにアウトソースしたら“未来”が広がった 「ViXion01」を体験してきた(1/3 ページ)

» 2023年06月29日 15時58分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 眼鏡のレンズで有名なHOYAから2021年にスピンアウトしたスタートアップ企業のViXion(ヴィクシオン)。同社が6月29日からクラウドファンディングを始めたのが、新製品の“オートフォーカスアイウェア”こと「ViXion01」だ。

「ViXion01」。重量は55g

 ViXion01は、眉間の部分にある距離センサーで見ている物との距離をリアルタイムに計測し、両眼のレンズの膨らみを変えて焦点を合わせるウェアラブルデバイス。フォーカスが合えば人の目には風景がくっきりと見えるようになる。

 ViXionの南部誠一郎社長は「人の目はレンズの役割を持つ水晶体の厚さを毛様体で動かしてピントを合わせる。ViXion01はそのピント調整をアウトソーシングするようなもので、目は疲れない」と説明している。

眉間の部分にある距離センサーで見ている物との距離を計測し、両眼のレンズの膨らみを変えて焦点を合わせる(画像は試作機)

 筆者は両目ともに視力0.1以下の近視で、乱視も少しあり、ついでに老眼も気になるお年頃だ。普段は眼鏡を掛けているが、スマホを見るときに画面を遠ざけたり、眼鏡を外したりする動作にもすっかり慣れてしまった。

 しかし眼鏡を外してViXion01を装着すると、視線を手元に落とした途端に「すぅっ」という感じでフォーカスが合い、スマホの画面がはっきり見える。顔を上げると、やはり「すぅっ」という感じでボケがなくなり、部屋の奥がくっきりと見えた。

 若干のタイムラグはあるものの、ちょっと前のデジカメのAF並みの速さで、音もなくピントが合う。頭の中に自然と「未来のメガネ」といったフレーズが浮かんでくるような新鮮な体験だ。

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