電気料金の値上げが家計を直撃、戸惑いの声も聞こえる2023年。今後も電気代は上がる見通しで、自衛としての節電に注目が集まっています。この連載では節電や家電について、くらしの中で気になるトピックを紹介していきます。
今回のトピックは「就寝時のエアコン」。三菱電機が実施したアンケート調査では、エアコンは「一晩中つけている」人が42.4%で最も多く、タイマー設定している人の40%を上回りました。
しかし電気代と睡眠の質、熱中症の可能性などを考慮した場合、どちらが正解なのでしょう。三菱電機とパナソニックが実施した検証は良い判断材料になります。
三菱電機は、睡眠環境プランナーの三橋美穂さんと共同で、1)エアコンを一晩中つけっぱなしにした場合と、2)オン/オフを繰り返した場合の消費電力量を計測しました。
冷房28℃設定で8時間の睡眠をとった場合、エアコンをつけっぱなしにしたときの消費電力量は697Whでした。一方、8時間のうち2時間オン→1時間オフを繰り返した場合は588Whと若干低くなりました。
電気代を目安となる単価31円/kWhで算出すると、一晩つけっぱなしの時は8時間で約21円です。オン/オフした場合は約18円。違いはわずか、と言って良いのではないでしょうか。
一方、パナソニックはネット対応エアコン「エオリア PXシリーズ」から取得したログデータをもとに、夏の夜に使われているエアコンの消費電力を算出しました。
これによると、午後8時以降に冷房運転していたエアコンの消費電力は1時間あたりで平均92W。8時間では736Whとなり、電気代を同じ条件で算出すると一晩で約23円となりました。なおPXシリーズは10畳用まであります。
もちろん電気代は料金プランやエアコンの機種、家の造りなどによって大きく異なりますので、あくまでも目安です。また1部屋の数字なので、複数の寝室がある家ならこの数倍になるでしょう。それでも「思ったより安い」というのが正直なところではないでしょうか?
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