約4万6000年間、シベリアの永久凍土で休眠していた生物が目覚めた──ロシアとドイツの研究チームは7月27日(現地時間)、そんな研究成果を発表した。目覚めた生物は線虫の一種で、凍っていた状態から解凍したところ再び動き出したという。
線虫やクマムシ、ワムシなどの一部生物は「クリプトビオシス」という休眠状態に入ることが可能で、これにより過酷な環境下でも生き残ることができる。水分を与えると、休眠を止めて生命活動を再開する。今回永久凍土で見つかった線虫も、この状態で約4万6000年間、休眠していたという。
目覚めた線虫のゲノム配列を解析したところ、新種であることも分かった。
この論文の著者たちは「種の個体の長期生存は、絶滅した系統の再興につながる可能性があるため、今回の発見は進化の過程を理解する上で重要である」とコメントしている。
この論文は、科学雑誌「PLOS Genetics」に7月27日付で掲載された。
Source and Image Credits: Shatilovich A, Gade VR, Pippel M, Hoffmeyer TT, Tchesunov AV, Stevens L, et al. (2023) A novel nematode species from the Siberian permafrost shares adaptive mechanisms for cryptobiotic survival with C. elegans dauer larva. PLoS Genet 19(7): e1010798. https://doi.org/10.1371/journal.pgen.1010798
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