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「理学療法士」名乗りSNSで問題のある治療法を発信か PT協会が注意喚起

» 2023年08月07日 16時30分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 日本理学療法士協会(以下、PT協会)は、「理学療法士」を名乗るSNSのアカウントが問題のある治療法を発信しているケースを確認したとして国民に向けて注意喚起を行った。

日本理学療法士協会の注意喚起(国民向け)

 これによると「医学的に正しいとは言えず、さらに実践することにより患者などの身体に悪影響を与える可能性のある治療法が(SNSに)掲載されていた」という。その上で「SNS上の情報をうのみにせず、医療機関など確かな専門家に真偽を確認してほしい」と呼び掛けている。

 どのような情報が掲載されたのか協会に問い合わせたところ、具体的な投稿内容やアカウントには触れなかったものの、「例えばカイロプラクティックや民間療法のような施術では、部位と強さによっては健康被害につながる可能性がある。数年前にも複数のドクターから指摘を受け同様の注意喚起を行っており、今回も直ちに法に触れる行為ではないが、予防の意味を込めて注意喚起を行った」と説明。現時点で健康被害などは報告されていないとしている。

 また同協会は1日付で協会員向けにも文書を掲載した。こちらには「SNSを用いて医学上の問題がある誤発信が複数件確認された」「SNS上で事実誤認のある発言や誤解を招く表現などが散見され、名誉棄損や損害賠償責任まで発展している事例も見受けられる」として注意を呼び掛けている。

日本理学療法士協会の注意喚起(協会員向け)

 理学療法士(Physical Therapist:PT)は、病気や怪我で身体に障害がある人などに対し、物理療法や運動療法によるリハビリテーションを支援する専門職(国家資格)。資格の取得には養成校で3年以上学び、国家試験を受ける必要がある。

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