さて、かなりムラがあったネットワーク品質だが、ドコモはコミケに向けてどういった対策を行ったのだろうか。同社に確認したところ、東ホール屋外など待機率が高いところに向けて移動基地局車を出していたという。
西ホール、東ホールの屋内はもともと設置してある屋内設備でまかなっており、チューニングは行ったものの基本的には例年通りの対応を実施したとのこと。スポットで5G SAを導入したということもなく、1日目と2日目で運用も変えていないという。
つまり、西ホールで計測した下り1Gbps超えは屋内設備を使ってほぼ例年通りの運用で実現していたことになる。同じ日の西ホール屋上だと通信品質が良かった/悪かったというポストがそれぞれ確認できており、屋内設備が届く場所によって屋上の通信品質に差が出ていたのかもしれない。
一方、東ホール側は移動基地局車を割り当てたもののキャパシティをオーバーしていた、あるいは輻輳を起こしていた可能性もある。また、東ホール屋内は編集長、筆者ともに4Gしか掴んでおらず、同ホールの屋内設備が古い世代のものだったとしたら、屋内に関しては西側よりキャパシティの上限が小さかったことも考えられる。そして、有料休憩所の爆速4Gは単純にキャパシティ内に収まっていたのだろう。ドコモ側もコミケの運用データをまとめている最中とのことで、詳細なレビューはこれからという。このため、全ては筆者の憶測に過ぎない。
残念ながら、高品質なモバイルネットワークの代名詞だったドコモの名前に傷が付き始めていることが露見した夏コミとなったが、下り1Gbpsを超えるというポテンシャルの高さも垣間見えた。同社は夏コミのデータをもとに、次回の冬コミ(C103)でどのような対策を打つべきかを検討していくという。ぜひ冬コミにはより安定したネットワークの整備をお願いしたい。
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